ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

「結婚という状態への依存」から脱却しましょう!

「女の転職@type」サイトの「働く女のワーク&ライフマガジン~Woman type」から取材いただきまして、その記事が公開されました。

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「女の人生100年時代」未来を豊かに生きるためには?というテーマで組まれている特集の第二弾です。

「相手いないけど結婚したい」とよく言う女性がいますが、それは「結婚という状態への依存」です。一方、「結婚なんかしなくていい」と仕事に熱中してばかりの女性もまた「仕事への依存」。どうして二者択一になってしまうんでしょう?

ひとつしか依存先がない状態こそ危険なんです。

それから、よく『本当の自分』なんて言う人がいますが、そんなものはどこにもない。唯一無二の『本当の自分』という幻想に縛られるのは、依存先がひとつしかないのと同じです。

要するに、「結婚していない」「結婚できない」女性たちが、潜在的に持っている自己否定感みたいなもんの正体なんて、「状態への依存」にすぎないってことです。そんなものに縛られて、あげく不幸感を抱えるのはアホらしいと思います。

そんな話をしています。

こちらからご覧ください。

woman.type.jp

 

 

ところで、人生100年時代が来ます。

ベストセラー本「LIFE SHIFT」にもあったように、60歳なんてまだまだ人生の半分でしかない時代がやってくるんです。

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どうしますか?

特に、女性ですよ。

ちなみに、2015年の国勢調査でも、60歳以上の独身高齢女性人口は1000万人を突破しています。片や独身高齢男性はたったの370万人しかいない。男はすぐ死ぬんです。

どうしますか?

女性は、旦那が70歳で死んだとしても30年以上一人で生きて行かなきゃいけないわけですよ。同い年夫婦ばかりじゃないわけで、下手すれば40年以上ソロで生きなきゃいけないかも。

拙著「超ソロ社会」の中では、「人生三分の計」ということを書きました。生まれて、子どもから結婚するまでの30年を第一期、結婚し子どもを生み育て、自立させるまでの30年を第二期。60歳を過ぎ、旦那も定年した後の30年~40年を第三期と考えた場合、この第三期こそ、男女関係なく経済的にも精神的にも「ソロで生きる力」が必要。

必要というよりなければ死ぬんです。

大体、男なんてものは、そもそも「依存」しがちな生き物なんで、だから先に死ぬんですよ。

もともと女性は精神的には強い。大体の夫婦は先に夫が死にます。が、残された妻はその後も一人で元気に生きています。しかし、それも経済的自立があってこそ。年金が破綻したらそうはいきません。ある試算によれば、75歳くらいまで働いて収入を得ないと生きていけないそうですよ。

問題は、働く意欲があっても職があるかどうか、なんです。ただでさえ高齢女性の就業率は15%程度しかありません。

おばあちゃんにしかできないこと。おばあちゃんだからできること。

そんなことは実はいっぱいあるはずなのに、今までそれらは無償労働として始末されてきました。

これからはそうしたおばあちゃんの知恵や技術は、課金すべきだと思うんですよ。言ってみれば、昭和の専業主婦の力ですよ。

料理、家事、裁縫、育児など、かつて主婦が当たり前のように無償でやってきたことをちゃんと報酬をつけてやってもらう社会にならないと。それでなくても共働きで家事や育児ができなないとか、保育園が足りないとか言っているんだったら、そういうおばあちゃんたちに働いてもらう。働いてもらうというと、労働力として使うように思う人いますが、とんでもない。働いて、誰かの役に立つということは、彼女たちにとっても社会的役割という代えがたい達成感を提供することになるんです。

そして、それが実現するためには、地域のコンビニというものがものすごい重要な役割を占めていると思っています。

長くなりそうなので今日はここまで。

シリアスな話なのに、読んでいてなぜか心が満たされました。

この記事は、男女問わず、未既婚問わず、たくさんの人に読んでほしい。

 

原発性無月経…

そんな病気があることをはじめて知りました。

ご本人自らが書いたこの記事には、力強さがあり、でも、読んでいてなぜか心が満たされる感がありました。ご本人の中には、ここには記せない辛さ、悲しさ、やるせなさも当然あったでしょうに…。とても感銘を受けました。

何も言いません。とにかく読んでください。

www.huffingtonpost.jp

 

生涯未婚率ばかり注目されていますが、僕は生涯無子率というものも考えるべきと思っています。結婚しても無子のまま生涯を終える人たちが、男女とも10%程度存在するんです。

もちろん山口智子さんのような自発的選択の人もいますが、多くは「望んでもできなかった人たち」です。そうした人たちが自己否定に陥ることなく、誰かと比較することなく、幸せを感じられる社会となることを望みます。

 

そして、男だとか女だとか、そういった性別でいがみあったり、「男にはわからない」「女にはわからない」という無意味な分断もなくなってほしいと思います。

 

私たちは、互いに違うからこそ、協力しあえるものだと思います。

 

所詮、他人だからわかりあえない。

そうかもしれません。

 

ですが、他人だからこそ、相手のことをわかろうとして、気遣いややさしさが芽生えるのではないでしょうか。

少なくともこの記事の筆者の夫である男性はそうだと思います。

 

 

いつまでも続くもの

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いつまでも続くものなんてどこにもない。

感動も喜びも幸せも命さえも…。

確かにその通りだ。

 

www.instagram.com

 

続かせることが大事なのではない。

瞬間瞬間で感じることが大事。

結果、それが続いたというのは結果論。

 

ただひとつ

いつまでも続くものがひとつだけある。

 

それは、自分自身との付き合い。

これは死ぬまで、ずっと続くものだ。

だからこそ、自分自身を一番大事にしよう。

NewsPicksの3月マンスリー・プロピッカーを拝命しました。

NewsPicksの3月マンスリー・プロピッカーを拝命しました。光栄です。ありがとうございます。

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人口減少社会の生き方というテーマです。NPやられている方は、フォローお願いしますwww

newspicks.com

 

【人口減少社会の生き方】少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口と総人口は減少に転じています。子育てや働き方など、個人の生き方にも注目が集まる中で、日本の未来はどうなるのでしょうか。このテーマには、村上由美子氏、藤波匠氏、荒川和久氏、髙崎順子氏の4人が就任します。

もはや、迂闊なことは書けなくなりました。

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所信表明といいますか、意気込みみたいなものを書いた記事がこちらにあがっています。

【プロピッカー】人口減少社会の到来は、日本に何をもたらすのか

newspicks.com

 

ざっくり、以下のようなことを書いてます。

ソロ社会と言うと、家族と独身とが分断される社会だと勘違いされますが、それらは決して対立項ではありません。家族とは血縁ではなく、“考え方の家族”となるべきです。
子どもを産むことだけが人間としての価値ではありません。ソロの人たちが、自分のために働き、趣味のために消費することが、意識としても結果としても、子どもたちを育てることにつながる社会になってほしいと願います。そうした社会が新しい未来のしなやかなコミュニティを創造することにつながるのではないでしょうか。
ソロ社会で必要になるのは、逆説的ですが、人とつながる力です。家族であろうと独身であろうと、それは同じです。人は誰かと関わりながら生きるものです。自立とは、他の誰の力も一切頼らないことではなく、頼れる依存先を複数用意できることで生まれるもので、依存先がひとつしかない状況の方こそ危険です。

 

そして、なんか早速コメントランキング入りしました。ますます迂闊なことが書けなくなります。

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家族が家族しか頼れない社会は最悪だ!

毎日新聞のこの記事。

「家庭教育支援法」成立目指す自民 「伝統的家族」なる幻想 家族の絆弱まり、家庭の教育力低下--!?

http://mainichi.jp/articles/20170301/dde/012/010/003000c

 

まるで指揮者のような安倍総理

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戦後日本は「伝統的家族」が壊れ、家族の絆が弱まって家庭の教育力が低下した--。そんな理由から、安倍晋三首相及び自民党は今国会に家庭教育支援法案を出すらしい。

 

安倍首相らが目指す家族像とはどのようなものか? 

第1次政権時の07年5月17日、衆院教育再生特別委で彼はこう答弁しています。

「かつては大家族、2世代、3世代同居という家族がたくさんあった。その中で親から子に受け継がれた知恵や工夫、地域の規律やモラル、そういうものが家族や地域の中で、教育に対する支援がなされたと言っていい」

ま、要するに「サザエさん一家」になれってことです。「家族の絆を大切にしろ」ってことです。

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そういえば、自民党改憲草案も「家族の相互扶助」を義務づけようとしていて気持ち悪かった。

 

法案提出するのは自由ですが、そんなの法律や憲法で規定することなのか?

大体、安倍さんの言っている古き良き家庭像というのは、実は戦後の高度経済成長期のものであり、日本人の原型ではありません。

 

家族が家族だけを唯一の拠り所として分断される社会こそ最悪の社会になります。

家族だけが最後のセイフティネットになってしまうと、家族同士の共依存を高め、結果共倒れになる危険性があります。

 

個人的に「絆」という言葉も嫌いです。「絆」なんて言葉はもともと「家畜や犬などをしばりつける」という意味で、「しがらみ、呪縛、束縛」の意味に使われていたものです。政府はそうまでして国民を縛りつけたいのか?

 

家族だけの絆じゃダメなんですよ。もっと人とのつながりは外部化すべき。そうすることで社会全体がゆるくつながる。その方がいいんです。

 

記事にあった京大落合教授の以下の言葉を引用します。これは、家族の人たちこそ肝に銘じてほしい。

世界では『家族主義は家族を壊す』が定説です。家族の相互依存を必然とする制度を作ると、家族が互いの負担になり、家族は壊れる。柔軟性こそが日本家族の伝統なんです。

 

ちなみに、拙著「超ソロ社会」の中に、家族だけに依存し、家族という自己責任の中で起きた悲劇について書いています。2006年2月に起きた、いわゆる「京都認知症母殺害心中未遂事件」です。決して他人事ではありません。

こちらから一部をご覧いただけます。

shuchi.php.co.jp


こういうこと(安倍政権批判的なこと)書くと、すぐ「左だ」とか言ってくる人いるんですが、いまどきまだイデオロギーとか言っている人って恥ずかしくないのかな?右とか左とかいつの時代だよ!イデオロギーの時代はもう終わったよ。

客観的に聞くと「自分、おしゃべり野郎だな」と思ってしまった件

以前収録した、FMヨコハマ「E-ne!~good for you~」の「エシコン」コーナー、本日3月1日14時にオンエアされました。

 

"優しさがしなやかに繋がる 2035年の 超ソロ社会!!"と題して、DJのMITSUMIさんとたっぷりお話しました。DJのMITSUMIさんはとっても話しやすい進行していただいて助かりました。

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こちら番組ブログの方にも記事があがっています。

E-ne! ~good for you~ - Fm yokohama 84.7: 優しさがしなやかに繋がる 2035年の 超ソロ社会!!

 

編集後のやつは初めて聞きましたが、いい感じに仕上げていただいてうれしいです。我ながらいいこと言ってますwww

というか、いいこと言っているように聞こえるのは多分MITSUMIさんのリアクションのおかけです。

ありがとうございます。

ですが、「まあ、自分よくべらべらしゃべるなあ…」という印象しかない。今更ですが。

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放送はpodcastからもお聴きになれます。ぜひ!

www.fmyokohama.co.jp

「Keep Green & Blue」→「エシコン」より。

人は人と出会い、付き合うことで、新しい自分が生まれる。

今日はこんなニュースを取り上げたいと思います。

zasshi.news.yahoo.co.jp

 

整形外科医の高須院長が、なぜか自分の恋人である漫画家の西原理恵子の手術を頑なに拒絶しているらしい。

西原本人が自分のだんご鼻を嫌い、整形を切望しているにも関わらず、だ。

もちろん、高須院長なら手術は簡単なはず。しかも、自分自身に美容整形を施すくらいだ。それだけ美容整形というものに対して積極的に推進する立場の彼が、恋人の顔だけは整形を拒否する理由とは何か?

彼はこう語ったという。

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いいですかりえこさん、人は欠損に恋をするんです。黄金率でないもの、弱いもの、足りてないもの、人はそれを見た時、本能で補ってあげようとする。その弱さや未熟さを自分だけが理解していると思う。欠損の理解者になるのです

 

なるほどね~。

ここまではっきりと「欠損」扱いされた西原本人の気持ちは察して余りあるが、まあそれは置いておいて、高須院長が言っているのは、「欠点を愛する」という気持ちだ。

顔の良しあしではなくても、性格でもいい。たとえ、本人が「これは自分の欠点だ」と思っている部分でも、それを「いとおしい」と思う人にとっては、それは欠点どころか魅力になる。

一部の隙もない完璧な容姿や性格に対して、全員が惹かれるわけじゃない。

なのに、人は、自分が欠点だと思う部分や、自分が嫌いな部分は、周りもそうだと思いこむ。それは視野が狭いのではなく、本質的に自分を愛せていない証拠。

 

自分を愛するということは、欠点も含めて愛するということ。

というより、自分が思っている欠点とは、決して普遍的な欠点ではないと気付くことだ。

拙著「超ソロ社会」のメインテーマのひとつである、人は人と出会い、付き合うことで、新しい自分が生まれる、ということを書いた。

西原が高須院長と出会うということは、今までの西原本人が思っていた「欠点をいとおしく思ってくれる相手」と出会ったということ。そして、それは、今までの自分では考えられなかったその欠点を許容してもいいという自分を生みだすことにつながる。西原本人が、整形の希望をきっぱり捨てて、今のままでいいと決断した時、新しい自分が誕生する。

それは、高須院長と出会わなければ、生涯見つけられなかった自分かもしれないんです。

もちろん、だんご鼻を治したいと思っていた自分が消滅するわけではありません。それはそれとして、多様な自分の中の一人として存在し続けるでしょう。しかし、高須院長との付き合い時間が長くなればなるほど、鼻を治したいという自分の構成比は下がります。

別にこれは、恋人同士じゃなくても、夫婦じゃなくても、ありえる関係性です。人とつながることで、自分の中の多様性を生みだすとはそういうことです。

だからこそ、人とのつながりが重要になるんです。

だって、自分一人ではそれに絶対気付けないから。

 

自分を変えたい、とかよく言う人がいるんですが、自分というものが過去の自分から突然ガラッと変わることなんかあり得ないんです。

変わるのではなく、分岐していく。

人との出会いの数だけ、新しい自分が生まれて、人間はどんどんとレイヤーを深めて行くのです。

 

唯一無二のアイデンティティなんかない。

本当の自分なんかいない。

何人も何人も生まれてくる自分たちの集合体が「自分」なんです。

 

そんなお話は、「超ソロ社会」の第6章に書いてありますので、ぜひよろしくお願いします。以上、ステマでしたw

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