アラサー婚活女子は、愛知に行っても、北関東には近付くな。
男余りの記事を東洋経済に書いてから、各方面でバズっている「300万の男余り現象」ですが、結婚適齢期の25-34歳アラサー世代にしぼると、都道府県でいったいどこが男余り県なのかを出しました。
もうタイトルで答え書いてありますけど…
ぜひご一読ください。
実は、20~30代での都道府県ランキングは過去に出していて、その時は一位が茨城県ということもあり、その当時話題になりました。そのデータが日本テレビ「月曜から夜ふかし」でも紹介されたくらいです。
25-34歳のアラサーでも、茨城、栃木、群馬の北関東3県は相変わらず強いのですが、アラサーにするとなぜか愛知が急に出てきます。アラサー男余り数で言えば全国1位です。
となれば、アラサーの婚活女子は今すぐにでも愛知に行った方がいいと思うんですが(実際愛知の女性の50歳時未婚率は低いわけですし)、とはいえ、行ったところで本当に愛知でアラサーが結婚しているのか?という疑問もあります。
そこで、人口動態調査から2016年と2017年のアラサー男女の結婚数を抽出し、それを2015年国勢調査での未婚人口で割って、この2年間でどれだけ未婚者が結婚できたのかを計算してみました。
男余りエリアに行けば、本当に女子は結婚できているのか?
わかりやすくするために、男余り率上位5県(栃木、茨城、愛知、福島、群馬)と男余り率下位5県(宮崎、奈良、大阪、福岡、鹿児島)だけを比較してみます。
非常に興味深い結果がでました。
男余りの大小で見事に違いが顕著に出たのです!
続きは日経COMEMOにて。
https://comemo.nikkei.com/n/n54cbf487ccbe
男余り県では、本当の女子は結婚できているのか?それを人口動態調査から細かく数字を抜き出して、アラサーの結婚率を調べてみました。結果、愛知のこと云々より北関東の男の方が深刻であることがわかりました。日経COMEMO更新! https://t.co/EsTEalErbp
— 荒川和久@「ソロエコノミーの襲来」著者 (@wildriverpeace) July 29, 2019
読売新聞にインタビュー掲載されました!
本日の読売新聞朝刊に僕のインタビュー記事が掲載されています。シングルライフという特集です。
めっちゃ笑ろうとりますがwww
28日(日)の朝刊届きました。独身者を研究する荒川和久さんのインタビューです。独身は数も増え、市場でも存在感を増しています。「(ソロと既婚者の)対立は不毛です。お互いさまでいいじゃないですか。結婚していようが独身であろうが、ひとりひとりが未来に対して貢献できるやり方があります」と。 pic.twitter.com/J04K9aj8BS
— 読売新聞 シングルスタイル (@y_singlestyle) July 27, 2019
こんな感じでいろいろ語りました。
独身の不幸度が高い話とか…
独身を研究する荒川和久さんのインタビュー。こちらは、ソロと既婚者の幸福感についての荒川さんたちの調査結果です。「うーん、やっぱり結婚したほうがいいのかー」と思うか「20代ってそんな幸福やったっけ」と思うか「男のひとの方がしんどいのかな」と思うか…見方もいろいろありそう。(28日) pic.twitter.com/bwqSszBbsU
— 読売新聞 シングルスタイル (@y_singlestyle) July 27, 2019
独身を研究する荒川和久さんのインタビュー。絶対に埋まらない欠落感を何かの充足感で埋める、という行動についても話してくださいました。アイドル消費などにも、そういう側面があると。思えば「埋まらないもの」って、だれでも何かは抱えてるのかも…。(28日朝刊) pic.twitter.com/pvM1q6UN8o
— 読売新聞 シングルスタイル (@y_singlestyle) July 27, 2019
独身者に限らず、家族がいても「将来は、ひとりかも」と考える人はいます。「ソロで生きる力って、逆説的ですが、人とつながる力です」「いろんなものとつながって、自分の中に、多様な自分を作ってほしいですね」ソロ化する社会を生きる人たちへの荒川和久さんのメッセージです。(28日朝刊です) pic.twitter.com/wHICMFWOHa
— 読売新聞 シングルスタイル (@y_singlestyle) July 28, 2019
なんかこのキャプチャーでほぼ読めてしまうかもしれない。
なんだかんだまだまだ新聞ってすごいんだなって思ったのは、25年以上前の知り合いから「新聞見たよ」ってSNSに連絡がきたこと。
登録読者限定のようですがネットにも上がっています。
よろしくお願いします!
さっそくこんなのが来ています。
シングルスタイル?
さもそれが先進的な生き方みたいな吹聴すんな!
益々少子化を促進するようなスタイルなどいらん!
こういう進んで独身を謳歌しようという輩は既婚者の倍は課税すべき!
独身税ですか…あいかわらず何も考えずただただ懲らしめたいというだけの感情。独身税徴収したところでそもそもソロの所得低いのでね、まったく貢献しないけどね。
婚活は当たりのない宝くじのようなもの?
未婚男女人口差は300万人もの男余りって記事を書くと、「じゃあ、なんで私は結婚できないの?」とかよく詰め寄られます。
正直に言えば、それは個々の問題なので「知らんがな」として言えないのですが、男余りなのに「女性は婚活で苦労する」とか「婚活パーティーに男が少ない。女子会になってしまう」という謎の現象については、確かによく聞きます。
東洋経済オンライン連載「ソロモンの時代」にて、その謎を解き明かしました。ぜひご一読ください。
未婚化は個々人の意識の問題というより、構造的な問題です。そもそも結婚意欲のある男が少ないうえに、そこに年収条件掛け合わせたら、女余りになってしまうのは当然なんですが、それにしても、婚活女子たちも日本の未婚の男たちの実際の年収を知らな過ぎるとも思います。
「今回の婚活パーティーは外れだったね。貧乏人しかいないや」と愚痴っていても、他に行っても大体同じようなものです。年収400万以上稼ぐ20~34歳の未婚男性は、たったの19%しか存在しないんですから。
高年収の男は、婚活パーティーに来る前に売れています! 婚活に来る時点でそもそも高年収男はいないし、万が一高年収だというプロフィールの男がいたら、その年収が嘘か、本人自体がやべえ奴です。
わかりみが強い。養ってくれるだけ稼いでる独身男性で結婚願望がある人と相思相愛になる難しさ。
— tamura_p_ent (@tamura_p_ent) July 25, 2019
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300万人男余りでも女性が婚活で苦労する背景 未婚男女の結婚意欲に埋められない大きな溝 | ソロモンの時代―結婚しない人々の実像― - 東洋経済オンライン https://t.co/Tx6BAfnN0F
とはいえ、バブル崩壊以降、30年も給料があがっていないという事実も異常です。正社員でさえ全然給料はあがっていないのですから深刻です。よく未婚化は非正規の増加だという誤解報道が流れますが、未婚の絶対数は正社員の方が圧倒的に多く、非正規を減らせばいいという問題ではないのです。
今回も、コメント欄は相変わらず香ばしさに満ちています。ありがとうございます。いちいち紹介しませんが、ヤフコメの方では、なぜかコメントの戦いが繰り広げられております。勝手にしてくださいw
また、こういう話題では「男は育てるもの」というコメントも寄せられます。
こんなコメントもありました。
こういう「現実見ないで理想ばかり追っているから行き遅れなんだよ?」という耳の痛いことを言ってくれるのはありがたいことなんですけどね。
自分の聞きたいこと以外はシャットアウトしてしまう人が多いので一向に解決しない愚かさはどうにかならないものか。男女問わずね。
金と結婚したいのか、人と結婚したいのか、そこら辺を考え直す人が増えると良いですね。
とてもやさしいアドバイスなんですが、「金と結婚したいのか、人と結婚したいのか」という二者択一の話ではないと思うんですよね。単純に金だけが目的なら、50歳以上の高年収高齢男性を狙えばいいのにそれは嫌だという。かといって、特定のあの人と一緒になりたいという人がいるかと言えば、そんな人はいないという。「あの人と結婚したい」ではなく「結婚という状態を獲得して安心したい」というものなんです。
でも、結婚=安心だった時代は随分昔に消え去りました。結婚しても離婚もあるし、一生の安心を約束してくれるものではない。にも関わらず、婚活女子がそこに安心という幻想を抱いてしまうのは、当たり券が最初から存在しない宝くじを延々と引き続けるくらい不毛なことかもしれません。
結婚したいけどできない人がいる一方で、結婚している人というのは割とすんなり若いうちにしているもんです。そして、結婚した当初はヤバめの年収でも、結婚後や子どもが産まれた後では、なんだかんだ夫の年収はあがっていたりするものです。
年収があがるような男だから結婚できるのか、結婚したから年収があがったのか、その因果は一概に言えませんが、こんなコメントもありました。
旦那は出会った時年収300万のだったが、大勢で遊ぶイベントでの動きっぷりをみて「きっと将来は稼いでくれるはず!」と思い結婚。
(恋愛フィルターコミコミでしたがw)
結婚したら、家庭があるから!と転職し年収600万に。
その後子供ができ、父親だから!と働きまくり700万を超えそう。
良くて500万稼いでくれたら世帯収入1000万近く行くから生活は余裕かなと思っていたらまさかの展開でした。こういう事もあるので婚活時点での給料だけを気にするのはもったいないかと。
将来性を考えて年収で足切りせずに出会いを探せば結婚できると思います。
私の場合はただのラッキーですが…
結婚して幸せな夫婦はこういう感じなんでしょうけど、一方で、「俺が絶対幸せにしてやる! 」みたいなヤンキー男のプロポーズに惚れて、若気の至りで結婚したものの、会社クビになって借金まみれで離婚した地方在住女性の話もたくさんありますから。
いろいろです。
要するに、マッチングなんですが、こうも男女間で希望の乖離があるとほぼ無理ゲーなんですよね。皆婚時代、お見合いでほぼ100%のマッチングが実現できたのは、ある意味では総中流社会だったという面もあります。誰を選んでも大体同じような給料だし、大体同じように給料があがるとみんなが信じられたからこそ、マッチングが可能になったと言えます。
そう考えると、現代の未婚化は、経済構造の問題であって、本人たちの意識云々という話ではないのです。
こんなコメントもありました。
20年くらい前に有名な大手結婚相談所に登録しに行った時、アドバイザーに
「高身長な貴方は有利ですよ!年収はほっといても上がりますが身長はもう伸びないですからね」と言われたが、まさかどっちも伸びない時代になるとは、、
ほんの20年前の話です。世知辛いものです。
今回も公開数時間で24時間ランキング1位でした。ありがとうございます!
「結婚はコスパ悪い」というリスク回避意識が不幸を招く?
このたびマイナビウーマンでも連載が始まりました!
6月から寄稿していたのですが、評判がよかったらしく7月が「知らないと困る 結婚の数字」というタイトルで、結婚及び恋愛にまつわるいろいろな数字について、アラサーの婚活女子向けの記事を書いていく予定です。
さっそくこんなツイートが。
#婚活 の二つの本質のうちの1つが数字だからな、これは大切だ。 https://t.co/KZFtwYXUwJ
— KaKiTa@婚活○○男 (@kakit78) July 19, 2019
ありがとうございます。
さて、マイナビウーマンでは実質3回目の記事になりますが、連載初回記事が公開されています。
よく言われる「結婚はコスパが悪い説」についてです。というか…多分、「コスパが悪いから結婚しない」という分析は僕が2016年にはじめて書いたような気がします。2017年の拙著「超ソロ社会」でもそれは書きました)
ぜひご一読ください。
「よくわかる」「そうだよな」という賛同コメントもたくさん寄せらています。
こんなのもありました。
結婚だってある種の「投資」やと思うけどね。利害関係はある程度考えないと、それこそひょんとしたときに離婚っていう形になりかねないと思う。
おっしゃる通りです。結婚は経済生活ですから。
その一方で、たくさんの批判的なコメントもいただきました。毎度ありがとうございます。今回もこうしてネタとして活用させていただきます。
独身の婚活女子向けの記事なのに、批判コメントを書いてくるのは既婚者(特に男性)が多いです。
こんなコメントがきました。
結婚したことない人がいっても説得力ないなぁ。
食わず嫌いの食べ物をまずいよって人に言ってるようなものだなぁ。
多分、これは僕に言っているのではなく(僕をdisっているのかもしりませんけどw)、調査対象が独身者であり、独身に結婚のメリットを聞いてもわかるわけがないということを言いたいのでしょう。
でも、考えてみれば、初婚の人はみんなかつて全員未婚者なわけで、結婚を経験していないこそ思う「結婚のメリット」を聞くことが無意味なことだとは思いません。むしろ、独身者に聞くからこそ「なぜ未婚化なのか」の本質が見えてくるわけです。
こういう「なんでも経験したことがなければ言う資格ない」みたいなこと、結構多くの人がカマすけど、本当だせえと思います。
経験したことがないからこそ、人間は知識を求め、経験者との対話に価値を見出し、試行錯誤するものでは?経験したことがないからこそ、そこに想像力が埋まれ、発明へと昇華するのでは?
未経験が語ることを馬鹿にしたり、排除しようとする人は、人間の力を舐めているとしか思えない。
また、コメントの中にある「食わず嫌いの食べ物をまずいよって人に言ってるようなもの」という比喩も的外れです。
「まずいよ」と言ってるのではなく「高いよ」と言っているのです。既婚者がいくら「結婚はいいものだぞ」と言われても、財布の中にそれを買うだけの金がない(もしくはあっても、それに使うくらいだったら他に使う)と言っているのであって、結婚そのものや既婚者を否定しちゃいない。
なんだろ。ちょっと前まで、独身者に対しては「ただの変人」扱いして笑って済ませていた既婚者群が、最近は、ようやくソロ社会化不可避の現実を理解したのか、自分たちが安定的なマジョリティではなくなりつつあることに危機感を抱いているのか、ソロで生きる人たちに対して、前より一層異分子扱いして攻撃的になっていたり、自分たちが否定されているという被害妄想意識が高くなっている気がします。
結婚をコスパとか言ってること自体終わってるから、結婚しなけりゃいいよ。
はい。だからソロなんじゃないの?でも、その思考で終わってるかどうかまで言い切れるんですかね?
コスパで考えてる時点でクズすぎる。
なんでもかんでも人生は合理的思考で考えることが良い生き方みたいな勘違い野郎たちは滅ぶべきだと思う。
コスパが良くて結婚して、結婚後コスパ悪くなったら離婚するのがオチ。
「結婚はコスパが悪い」と考えていることを合理的思考だと考えることが違う。むしろこれこそ感情の理屈付けの最たるもの。詳しくは「ソロエコノミーの襲来」を読んでください。
また、この人は結婚というものを感情でやるものだと思っているんでしょうか?そういう人が増えたからこそ、離婚が増えたんでしょ?お見合い結婚なんてものは、超合理主義ですし、だからこそ離婚も少なかった。
結婚は愛なのか?金なのか?なんていう二元論をやりたいわけじゃありません。むしろそうした二元論こそ不毛です。結婚した人だけが愛を知っていて、未婚は理解できないなんてことはありません。既婚者の中でも、ちゃんとした方は、そうした現実の結婚生活をふまえて、「それでも結婚して良かったと思っています」というコメントをしてくれています。
分かって結婚しています。家庭を持つことを趣味のように思えなければ結婚なんかするもんじゃない。 / 「結婚はコスパ悪い説」を男性が唱える理由 (「マイナビウーマン」) #NewsPicks https://t.co/5LdTnzebau
— Yoshiyuki Izutsu (@yizutsu12) July 19, 2019
正味、世のオタクたちが自分の趣味にかけているお金に対して「コスパ悪い」なんて考えません。金と時間の消費によって心の充足を得ているのであって、むしろコストをかけなければ幸せは得られないのです。
コストと幸せは、トレードオフではなく、むしろ正の相関関係にあると言えるのではないてじょうか。
そう考えると「コスパが悪い」ことを忌避してしまうと一生幸せとは縁遠くなるのかもしれません。
戦争もしていないのに、戦争時以上に男が減り続けている理由
未婚男女の人口差は300万人の男余りだ(20-50代)という話は、こちらの記事で以前しました。
総人口で見ると、2015年の国勢調査では、総人口1億2700万に対して、男約6184万、女6525万と、実は女人口の方が多いのです。男女比にすると0.95%。つまり、男女出生率は1.05で男の方が5%多いのに、総人口は女の方が5%多いことになります。
これは、女性の方が長寿だからということなんですが、長期的に人口男女比を見てみると、おもしろいことがわかります。
太平洋戦争前の1937年日中戦争がはじまるあたりまでは、実は人口男女比は男の方が高かったのです。戦争の激化とともに男女比は逆転します。つまり、戦争とは男の数を極端に減らすものなのです。それは理屈としてなんとなくわかりますよね?
しかし、日本は1945年以降一度も戦争をしていません。戦後は2度のベビーブームがあり、確実に出生数が男子が多かったのですが、男女比はそのまま女が多い形で現在に至ります。最近はより一層男の比率の減り幅が大きくなっています。戦争もしていないのに、戦争中、いや、むしろ戦争中よりも多く男が減っていることになります。
というより、今男だけなんらかの戦争をしているのか?
なぜ現代は、戦争並みに男が減っているのでしょう?
続きはこちら。日経COMEMOへ。無料です。
https://comemo.nikkei.com/n/nd26006008a90
人口男女比は女性の方が多い。女性の方が長生きだからと思うかもしれませんが、実はそうなったのは太平洋戦争直前です。戦争で男が減ったのはわかりますが、現代戦争もしてないのにどんどん男比率が減っています。一体男は何の戦争中なんでしょう?日経COMEMO更新です!https://t.co/iel2WmzNyL
— 荒川和久@「ソロエコノミーの襲来」著者 (@wildriverpeace) July 13, 2019
消えゆく家族…家族とはいったいなんでしょう?
まず、こちらの日本地図を見てください。
2015年から25年後の2040年推計との変化を表していますが、一体何の指標の塗り分けだと思いますか?
これは、家族が消えゆくエリアを表しています。
今後25年間(今は2019年なので実質21年間)で、世帯類型のうち「夫婦と子」世帯が10%以上減るのがピンク、20%以上減るのが赤で示されています。ご覧の通り、日本中ほぼすべてが真っ赤になります。
夫婦と子世帯のうち、夫婦と子二人の核家族を、かつては標準世帯と読んでいました。ところが、子ども二人どころか、全部の「夫婦と子」世帯でももう3割もいないのが実情です。世帯のトップは、もう2010年から単身世帯です。
こうした事実は、僕は「超ソロ社会」でも「ソロエコノミーの襲来」でも、繰り返し指摘してきましたが、まだまだ世間の認知は低いようです。
そんな記事を東洋経済オンラインの連載「ソロモンの時代」に書きました。まずはご一読ください。
これからの新しい家族像、みなさんはどうお考えになりますか?
本文の最後、このような問いかけで終わらせていただきました。考えるきっかけとしていただきたいからです。それは、独身であろうと、家族持ちであろうと変わりません。
家族とはなんでしょう?
血縁や共住だけが家族なんでしょうか?
何度も言いますが「家族が消える、非婚化が進む、人口が減る…」という事態は、決して避けられない道です。今更子どもがたくさん生まれても、30年以内の人口構造には何の影響もありません。
しっかりと現実を見据えていただきたいのは、「確実に20年後、日本の人口の半分は独身者になり、4割が一人暮らしをしている」ということです。その際、夫婦と子世帯は2割程度になっているでしょう。
そうなったら、何が起きるでしょうか?
高齢者や独身者が増えて、支えられる人口に支える人口が押しつぶされるとお思いですか?
既婚者たちが恐怖しているのはそこです。高齢者や独身者などの面倒を自分の子どもたち世代が一手に引き受けなければいけないのは不公平だというわけです。独身を謳歌して子どもも生み育てないのなら、自分の老後の面倒くらい自分で見ろ! 既婚者はそう言います。(この言葉は独身だけではなく、結婚して子に恵まれない夫婦も傷つけている気がするのですが…)
まさに自己責任論です。要するに、「我々家族は家族でなんとかするから、お前たち独身は、自分のことは自分でしろ。人に頼るな。我々に近寄るな」ということです。
既婚者たちは、よくこうも言います。「なんだかんだ、最後に頼れるのは家族だけだから」と。
家族とソロが対立・分断し、互いに関わり合いを持たないようにし、あげの果てに敵視し、いがみ合う構造は本当に不毛です。
今回もこんなコメントが寄せられました。
別に子供好きでも家族至上主義でもないが、一部の子連れ家族を目の敵にする思想に危機感を感じる。彼らはよく子連れはマナーがなってないと声高に叫ぶが、それは定量的にどのくらいなのか。独身者は皆マナーがなっているのか。子連れは私たちを見て!感が凄いと言う書き込みもあったが(笑)正直、性格の悪そうな独身者が1人或いは複数でいたところで、残念ながら家族づれは全く眼中にないと思う。
また、子供を敵視するのは勝手だが、自分達も必ず世話になる社会保障の仕組み(年金だけではありませんよ)を一度冷静に学んだ方が良い。
そもそも、この記事が伝えようとしている、血縁に頼らないコミュニティに、彼らのような性格の悪いねじ曲がった人間(だからこそ独身者なのだろうが)が馴染めるのだろうか。
このコメントは、以下のコメントに対する反論のようです。
外出先でことごとく見かけるあのうじゃうじゃは3割が表出しているだけだっていうのか…。
家族だから一緒に出掛けられる鬱陶しい感が蔓延していて、目立つのでしょうね。私達を見て!感というか何というか…。彼らも彼らで人を見過ぎ気にしすぎのあの、何とも言えない感じ。
でも確かにベビーカーで突進して来る子連れが以前と比べ、減ったかな?と思います。マナーが良くなったわけでなく、子連れ自体減っているのですね。マナーの悪い彼らは動物以下だと思っているので、減っているのは何よりですね。
どっちもどっち。これに限らず、僕の記事上では家族とソロとが、お互い先祖が戦争でもしていたのか?というくらい言い争う姿がよく見られます。
家族とソロが対立・分断は不毛だと何度も言うのですが、同じことが繰り返されます。それこそ、今まで安心を付与してきた「所属するコミュニティ」の断末魔の姿ではないかと思います。
誰もが結婚していた時代ならなかったこと。一度入った会社が一生面倒みてくれた時代ならなかったこと。誰もが60歳くらいで寿命を迎える時代ならなかったこと。安心な「所属するコミュニティ」は、そういう背景があったからこそ成り立っていたわけです。
もはや、そういう時代ではありません。
高齢者や独身者が増えて、支えられる人口に支える人口が押しつぶされるという考え方からいい加減脱却しましょう! 生産人口や現役が64歳までという古い考え方も捨てましょう。15~64歳の人たちが65歳以上を支えるなんていう年齢で区切ること自体がおかしいんです。働ける人は60歳だろうが70歳だろうが現役でいいじゃないですか。
生産人口世代が高齢者を支えるのではなく、高齢者含む大勢の大人たちのうちの働ける人たちが全員で、子どもたちを支える社会を目指すべきなんです。血縁とか地縁とかじゃない。すべての誰かの子どもたちは大人が支援していけばいいのです。自分の子だけではなく、子がなくても、です。
「家族を頼りにする」ことと「家族しか頼れない」ことは別です。所属の安心としての血縁家族を否定しませんが、家族唯一依存による共倒れのリスクも考えてください。少なくなる家族と増えるソロが喧嘩するより、協力し合う方向を模索するべきではないですか?それが僕の提唱する「接続するコミュニティ」です。
その一例として、本文中最後の方にご紹介した「げんきカレー」については、多くの人たちが賛同してくれました。
『家族に固執するのは良くない』カレー屋さんの話いいなあ。 https://t.co/MB9N5CDbmI
— 関根 愛 Megumi Sekine (@SekineMegumi) July 9, 2019
「家族は子どもの養育とメンバーの精神的安定という2つを本質的機能とする親族集団であり、必ずしも共住を前提としない」カレー屋さんの話も良いな!これからの新しい家族の形を考える良記事。
— 田中 絵音 (@enon0820) July 9, 2019
「夫婦と子の家族」は今や3割弱しかいない現実 https://t.co/f2NMJe3drY #東洋経済オンライン @Toyokeizai
げんきカレーさんの取材記事はこちらがわかりやすいです。
勘違いしないでほしいのは、別に家族なんて消滅しろと言っているわけじゃありませんし、生涯独身なんてとんでもないと断じるつもりもありません。家族かソロかという二者択一の話ではないし、互いを敵か味方かにはっきりさせる必要なんてまったくないわけです。
血がつながっていなくても、同じ屋根の下に住んでいなくても、いつも一緒にいなくてもいい。必要に応じて、場面に応じてつながり、自分のできる範囲で、助け合える。家族もソロもどこかでつながっている。そんなお膳立てシステムこそが、今後は必要ではないでしょうか。
おかげさまで記事はたくさんの方に読まれています。朝からずっと1時間ランキングも24時間ランキングも1位です。ありがとうございます。
草食化・肉食化?日本の未婚化は魚食化がカギを握る?
未婚化の原因は、やれ「若い男たちの恋愛離れ」「草食化のせいだ」などと、価値観の問題にしようとする大人たちがたくさんいますが、そうではないことは、これまでも何度もお伝えして来ました。
恋愛できる男なんて、いつの時代も3割程度しかいないし、自分から告白できる男も3割もいません。
問題はそこじゃありません。
ところで、いろいろと統計資料を調べていたところ、ある発見がありました。
未婚化の原因は魚のせいかもしれない?
どうした?いきなり、何を言いだすのか?
…と、お思われるかもしれませんが、日本人一人当たりの食用魚介類供給量と婚姻率との間には、きわめて強い正の相関関係がありました。
相関係数=0.9357ですので、ほぼ一致していると言えます。
これは、「魚を食わなくなったから結婚が減った」と言っても過言ではないかもしれません。
もちろん、過言です。何回も言っていますが相関と因果は混同してはいけません。「魚を食わなくなったから結婚が減った」と因果にしてはいけませんが、人間はとにかくそこに因果を求めてしまう生き物です。
「魚を食っていれば結婚できる」わけではありません。
逆に…
続きは日経COMEMOにて。無料です。
https://comemo.nikkei.com/n/nc16e3af913f6
最近、全年代で魚を食うより肉を食う人が多くなっているようですが、今後この傾向が続くと大変なことになるかもしれません。一見、何の関連もなさそうな食生活と結婚との相関についておもしろいデータを発見しました! 日経COMEMO更新! https://t.co/EuYV1ypIlM
— 荒川和久@「ソロエコノミーの襲来」著者 (@wildriverpeace) July 5, 2019
ちなみに、以前にも僕は、飲酒量と結婚との相関についても発見したことがあります。それについて書いた記事はこちらです。