ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

お見合い代替だった職場結婚の減少こそが婚姻数激減の直接的な原因だという明らかな証拠!

「会社の上司が婚活指導? 国の検討会、反発受け提言修正」というニュース。

www.asahi.com

要は、企業の婚活支援を強化して、非婚化に歯止めをかけたい狙いなんだが、最初の素案から違和感ありありだった。案の定批判を受けて大幅修正した模様。

当たり前です!

素案では、上司が婚活メンターなるものになって、部下の婚活の支援をするというもの。これね、セクハラやないか!パワハラやないか!これこそソロハラだよ!

note.mu

 

つーか、結婚というプライベートな領域に、評価や給料を決める立場の人間を介在させるんじゃねーっていう話。

 

但し、職場縁での結婚を促進することは実は理にかなっているです。

 

95年に63万件あった初婚同士の婚姻数は2013年に45万件まで18万件減少。

その減少の大きな要因は、職場出会い結婚の減少なんです。95年に21万件あった職場出会い結婚は、2013年8万件まで激減した。婚姻数全体の減少幅の46%を占める。

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婚姻数が激減した要因は、見合いが減ったからというより、社会的見合いシステムだった職場結婚の減少なんです。そもそも、男は自ら出会いを作れないし、告白もできない(昔からそう)。

wildriverpeace.hatenablog.jp

 

おもしろいことに、職場出会い結婚の減少のスタートはいつかというと、実はセクハラ初裁判の判決が出た1992年あたりを契機としている。

もともと臆病な男たちが、セクハラだとかで女性を食事にすら誘えなくなったからです。

 

 

婚活をもし促進したいのなら、こんな婚活メンターとか面倒くさい制度なんか不要ですが、企業という場の役割は非常に重要でしょう。企業が部活的なことを支援したり、文化祭や体育祭、社員旅行的な昭和の場を提供するだけで、結婚したい男女は勝手にくっつく。

必要なのはおせっかいなジジババより、場の提供。

こういうこと書くと、ただでさえ長時間労働が問題なのに、さらにまた企業において拘束する時間を作るつもりか?という見当違いな批判する人がいるんだけど、まったく違うよ。

業務の一環としての部活ではなく、上司の介在もしない、個々人の興味関心領域を企業の部活動・サークル活動と認めて、経費を提供するだけでいい。わかりやすく言えば、社員だけが参加できるクローズドな「趣味の会」を作る自由を社員に与える。但し、既婚者は入れないものとする。

バーベキュー部でもいいし、月一回肉を食うだけのサークルでもいい。スポーツしたければやればいい。ヨガでもいい。ただ、そういう個々人のモチベーションによって生み出された場というものが、結果的に出会いや親交を深めるきっかけになる。

そんなものが必要のない社交的な人間は、会社外でバンバン活動できるだろうけど、大体の男なんてものは受け身なんです。そして、大体「結婚できない」とぐちぐち言い訳している男はこういうタイプが多い。お膳立てが必要なんです。

 

以前のようなお見合い結婚の復権は、現実的にはあり得ない。SNSを介した出会いは今後拡大してはいくだろうけど、結婚適齢期において一番時間を多く過ごすのはやはり会社内だ。会社内で既成事実を作ってしまうと、逃げられなくなるという点もポイント。

職場結婚したら結婚祝い金も倍増するとかそういう企業における出会いの促進を、場や制度としてうまく活用していくべきだと思う。

いずれにせよ、上司のお節介だけはいらないです。