ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

「生きる」とは「人とつながる」ということ。

今、一番お会いしてお話したい人の1人。

石川善樹さん。

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広島県生まれ。東京大学医学部卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして研究し、常に「最新」かつ「最善」の健康情報を提供している。専門分野は、予防医学、行動科学、統計解析、マインドフルネス等。

まあ、すごい経歴の持ち主ですが、予防医学の専門家に独身研究家が何の用があるのか?と不審がる方もおられるかと思います。

そのひとつの鍵は、TEDxUTokyoでの彼の講演「命のヒミツ:私たちの寿命に影響しているものは?!」にあります。

その中で石川さんは以下のように説明しています。

長生きの秘訣とは何か?

太らない?運動する?酒やタバコをやらない?

普通ならそう考えるでしょうし、普通の医者であればそこまででしょう。でも彼の結論は以下です。

 

「つながりがある」こと。

それが一番の長生きの秘訣だと言います。

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つまり、「人と人とのつながり」がない心理的に孤立であることは、タバコより健康に悪いわけです。上の条件で言えば、「太ってて、運動もせず、酒やタバコをやって、ひきこもりなやつ」は即効死ぬということになる。

 

 

 

こんなやつ

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こういう人って、仕事とか辛いこともせずに、好き勝手に生きている人でしょうから、それこそノンストレスで長生きしそうと思いますか?

 

違うんです。こういう輩がすぐ死ぬんです。

 

家族や友人とつながっているということだけではなく、いろんなコミュニティに属して、人とつながっているということは、それによって自分のアイデンティティが作られたり、生きる目的が得られるためと石川さんは言います。

これ!まさにその通りなんです。

人のつながりが長生きにつながるかどうかまでは僕はわかりませんが、いろんな人間と向き合うことそれ自体が実は「生きる」ってことなんです。

人間が孤立感を感じる時って、無人島や山奥に1人でいるときじゃないんです。例えば、学校や会社の中で1人だけハブられたりとか、家族の中で1人だけ相手してもらえないお父さんとか、そういうたとえ集団の中にいても阻害された状態、いわゆる物理的に1人の状態ではなく、心理的に孤立した状態こそが危険なんです。

孤独と孤立とは違います。

孤独とは表面的な状態をあらわし、孤立とは内面的な心理です。孤独とはぢとらかといえば、能動的に選択できるものだあるのに対し、孤立とは個人の選択ではなく受動的に陥るものです。

実は、まさにこの部分が新著「超ソロ社会」のメインテーマとなっている部分です。

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ソロ社会になると、一人一人が思い思いに自由気まま勝手に生きて、人とのつながりがなくなる社会だと思っていませんか?

逆です。

ソロ社会になると、従来の安定したコミュニティである「家族」や「職場」や「地域」が失われて行きます。だからって、人はコミュニティなしに生きていけないんです。人との関わりがなくなることは、すなわち「生きる」ことではなくなるからです。

 

金さえあれば生きていける?

果たしてそうでしょうか?

 

石川さんが提示してくれた「人とのつながり」が長生きの秘訣だという医学的な根拠によって、はからずも、ソロ社会の解決すべき課題が一致したことは喜ばしい。もっと突っ込んでお話したいものです。

 

ちなみに、人がもっとも「ひととのつながりの大切さ」に気付く時と言うのは、入院した時だそうです。個人的にも思い当たります。

40歳を超えた時、いきなり入院しました。その時ほど、「独身ってつらいなあ」と思ったことはないです。

関係ないけど、結婚したい女子によくアドバイスするのは、「病気して気が弱くなっている男は必ず落ちる」ということです。ベタだと思うかもしれませんが、そういうもんです。

入院にはお見舞いや付添の人がいたりしますが、石川さん曰く、それが0人だった場合、その後の死亡率が圧倒的なんです。これは病気治癒力としての精神に影響があるからでしょう。すなわち「生きる力」を失うわけです。

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こうして見ると、お見舞いって本当重要なんですよね。