ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

新しい自分を生みだすのは、人とのつながりである。

とっても素敵なムービー!

宮崎県日向市のPR動画です。

www.youtube.com

 

この男性の成長物語というふうにとられがちですが、これはサーフィンが彼を変えたということより、人とのつながりの重要性を描いています。

人とつながることで自分の中の新しい自分が生まれるし、承認と達成の気持ちが満足すれば幸せを感じられる。これがまさに拙著「超ソロ社会」に書いた「ソロで生きる力」の具現化です。

「知らない自分に会える場所」というラストカットのコピーがそれを表現しています。

 

この動画の男性の体型が痩せたことに対して、見た目主義だの、体型をいじるなだの文句付けている人がいるんだが、なんだかな…。

そういうこと言うこと自体体型や見た目による差別そのものじゃないの?

なんでもかんでも自分の不快なものを理屈付けて排除や否定する人の感情ってどうなっているんだろ?

人間の見た目は環境や個人の内面の状態によって全く変わります。別に肥満を非難するつもりはないし個性のひとつだけど、ストレスや不幸感の現れとして太ってしまっている人もいる。そういう人は、食事やお菓子の摂取という手段で幸福を代替えしている部分があるんですね。糖分を取れば刹那的な幸せ感を得られるから。

でもやっぱりそれって本質的な幸せではなくて、本当は食事や酒やドラッグのような外部刺激に頼らず幸福感を売られることが大事。それが人との交流であり、人からの承認であり、自分への肯定感なんだと思うんですよ。

サーフィンがうまくなるとか痩せるとかは目的でもなんでもなくて、彼が得たものは「日向のコミュニティの中で居心地のいい新しい自分を生みだしたこと」。体型が変わったこと自体はその必然の結果でしかなくて本筋とは違う。

つまり、サーフィンがうまくなったとか痩せたという自己有能感があるから自己肯定できたという因果ではなく、そんな有能感がなくても自己肯定できるという感情を生んだことが大切なんです。

たいしたことはできないけど自分が好きと思えること。それを教えてくれたのが日向の人たちとのつながりだった。

そういう意味でこの動画は新しいコミュニティの在り方をも示唆してくれている。

地域や家族や職場というかつての安定したコミュニティとは、ある意味閉鎖的なムラコミュニティだった。「よそ者は出ていけ」という仲間以外は排除の論理だったわけですね。そうではなく、見知らぬ土地にぼっちで来たとしても受容してくれる寛容なコミュニティの形を提示してくれている。

年齢も職業も学歴も育った環境も違っていたとしても、互いに利害関係なんかなくてもいいし、ただそこにいて人とつながっているだけでいいんだよ、とこの動画は訴えているんじゃないかな。

 

この人とのつながりやコミュニティの新しい形を具体的に実現しているのが、キングコング西野さんの「おとぎ町」です。

先日おとぎ町のBBQに参加してきました。

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あそこは、ある意味奇跡のコミュニティです。

性別も年齢も学歴も地域も職業も関係なく、大人も子どもも分け隔てなく、通常なら一生交わることのなかったかもしれない人と人との関係性が生まれる場所。

一緒に住んでいなくても、しょっちゅう顔を合わせたりしていなくても、たまに顔を合わせてゆるくつながれるコミュニティ。独身であっても、子どもがいなくても、子どもの笑顔のために何かしてあげられる達成感のある世界。

ソロと家族が対立しないコミュニティの形がここにはあります。

 

おとぎ町のクラウドファンディングこちらです。

camp-fire.jp

ご興味ある方は是非ご参加ください。