ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

「ギブ&ギブで行こうではありませんか?」と人に言う奴は胡散臭い。

ギブ&テイクではなくギブ&ギブで行こうではありませんか?

とかいう人いますよね?

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「俺はギブ&ギブでいく」と、そう思ったり行動することは個人の自由なので勝手にすればいいと思うんでいすが、「みなさん!テイクしちゃだめだすよ。ギブオンリーでいきましょうね。裏切りはなしですよー!」って人に呼び掛けるのは

違うだろ!

と思うわけですよ。

 

『人を動かす(こうすれば必ず人は動く,How to Win Friends and Influence People)』という本で、日本で430万部、世界で1500万部以上を売り上げたデール・カーネギーという作家の言葉があります。

幸福になりたければ、やれ恩を返せだの恩知らずだのと言わないで、人に尽くす喜びだけを生き甲斐にしようではないか

なるほど。

そうやって人を納得させたからこそ、1500万部も本が売れたのですね。

 

わかりますwww

 

 

この人はこんなことも言っています。

人生はまさにブーメランだ。人に与えたものは手元に返ってくる

 

ほら!

これこそ「情けは人のためならず」と一緒で、結局自分のためになるのだから人に親切にしたり恩を売りましょう、ってことなんですよ。

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これ自体は否定しないし、むしろ大賛成。

純粋な利他ではなく、自分のために、自分のメリットとして帰ってくるからこそ、人になんかしてあげるっていうのが人間として自然なことなんです。

「相手を選んだうえで、ギブ&ギブするけどまったく何も返す気のない
くれくれ根性の人には何も与える必要はない」と人がいるんだが、それってちっともギブ&ギブじゃなくて、むしろテイク&ギブなんですよ。そうした矛盾に気付いていないところが痛いと思う。

そもそも、ギブ&テイクでもギブ&ギブでもテイク&テイクでもいいんですが、この論はあくまで「自分主体論」なんですよね。

でも、自分主体でどう動こうが、それで相手がどう動くかはあまり関係ない。もっと言うと、自分が自分の意思で主体的に動いているようでいても、実は相手や環境によって無意識に動かされている場合も多々ある。洗脳とかそういうことです。それなのに、自分主体でどう動くかだけを考えているから噛み合わなくなるわけです。

「ギブ&ギブってすばらしい!」なんてすぐ共感しちゃう人は危険。だって、相手のために奉仕して尽くすだけの人なんて、詐欺師にとってはこの上ない獲物じゃないですか。

ギブするかどうかは当然相手にもよるんです。

つまりはすべては相対性だから。だとすると、無償のギブなんて実は存在しえないという結論に行きつくわけです。信用できる人にしかギブしないなら、それは最初に相手の信用をテイクしてんだから、テイク&ギブなんですよ。

こういうこと書くと、「親が子に対するのは無償の愛だ」とか噛みついてくる人いるんですが、そうじゃない親だっていますからね。虐待して殺してしまう親だっている。いろいろです。

ちなみに、ここでの論点は別に肉親の情という話ではなく、他人同士の関係性の中でどうするの?って話だと思うから、親子の絆とか言われるのは筋違い。

 

言いたいことは、「見返りを求めるギブは本当の意味のギブじゃないから価値がない」とか、とかく「無償の愛こそすべて」みたいなことを言っている偽善者が世界で一番嫌いですってことです。

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自分の損得のためだろうが、欲のためだろうが、見返りを求めようがなんだろうが、結果として相手や周りになんらかのメリットや喜びが提供できるなら、そっちの方がよっぽど価値があります。

 

要するに…

無償で済まそうってやつにロクなやつはいないんですよ!

人の時間や能力を借りるのであれば、相応の対価を払うのは当たり前だと思いますが、おかしいですか?