ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

「お互いさま」の心がつながるやさしい世界へ

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はれのひ」事件については前回書きましたが、それ以外にも「世の中捨てたもんじゃない話」がありました。

 

wildriverpeace.hatenablog.jp

 

 

なんと「はれのひ」の福岡天神店だけは逃げずにお客さん対応したという話が!

 

news.livedoor.com

 

店長の女性は取材に対し「社長とは今年に入って連絡が取れていない。スタッフと話し合ってやろうということになった」と話した。

本当に立派です、この方々。しかもこの人たち、給与だって未払いのままだっていうじゃない。なんて素敵な人たちなんでしょうか。

 

こういう社員とスタッフがいたということの方をもっと大々的に報道してほしい。

 

はれのひ」という会社が最低なのは間違いないが、ケチ付けるばかりが能じゃないでしょ?先日の新幹線を止めたJRの車掌さんもそうだけど、ちゃんと仕事をしている人たちをまず称賛しましょうよ。

 

そして今日はこんな話が!

www.itmedia.co.jp

 

キンコン西野さんが「はれのひ」の被害に遭った新成人に「リベンジ成人式」をクルージングでプレゼントするという企画。しかも御代はすべてレターポットの売り上げから西野さんが払うという太っ腹企画。

実はこれ、西野さんの発の企画ではなく、事件を知った女性スタッフの発案から始まっているんです。僕はその女性存じ上げていますけど、とても情に厚い方です。

何がすごいかって、発案女性スタッフ→西野さん即決裁→女性スタッフ即企画外部交渉→協力会社即決定→実施決定・発表→レターポットで全国から賛同集まる。

ここまでわずか3日の早業。

何よりすべてにいろんな人のやさしさがつながっているとこが素敵。やさしさのわらしべ長者みたい。

これこそ「お互いさま」の心がつながるやさしい世界です。

 

とってもいい!

 

これに対して、「これは西野さんがレターポットの宣伝のためにやっている」という批判があるけど、

何が駄目なの?

 

近江商人の商売哲学に三方よしというのがあります。「売り手よし、買い手よし、世間よし」。今回のはまさにそれで、被害者だけじゃなく、賛同してレターポット買う人も、それを見る世間の人たちも、みんなみんな笑顔になっている。

素敵なことじゃない!

ネットでバズらせたいがために、誰かを中傷してみんなを不快にさせる人もいますが、それに比べたら百万倍あたたかい。

 

 

とはいえ…ですよ。

一方で、そもそもその振り袖をレンタルをするお金すらなく、祝ってくれる両親もいない、そんな新成人の子達もいます。

児童養護施設出身の子たちです。

 

そんな彼女たちのために、晴れ着を着せて撮影をしてくれるプロジェクトがあります。ご紹介します。

ACHA PROJECT

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児童養護施設に入る子どもたちのほとんどは親からの虐待です。そして原則18歳で強制的に出ないといけません。18歳の未成年が1人で生きていけるほど世の中甘くないのに。

彼ら彼女らは社会的孤立感に向き合いながらもそれでも懸命に生き、こうして20歳の成人式を迎えたのです。でも、彼女たちには振り袖をレンタルするお金すらない。祝ってくれる周りの人たちもいない。切ないじゃないてすか。

そういう子たちもいるんだ、ということを知ってほしいし、目を向けてほしいと思います。

 

このACHAプロジェクトについては、1/9の読売新聞で社説でも紹介されていました。

www.yomiuri.co.jp

 

東京の山本昌子さん(24)は、児童養護施設で育った女性に無料で振り袖を貸し出す活動を2年前から続ける。自身、18歳まで施設で過ごした。高校卒業後に自立したものの、生活は苦しく、成人式にも出席できなかった。 自暴自棄になったが、後日、先輩の援助によって振り袖姿の写真を撮影することができた。「大切に思ってくれる人に救われた」と、しみじみ振り返る。 振り袖を着た時のうれしさを多くの人に味わってもらいたい、と今の活動を始めた。SNSやホームページで自らの生い立ちを発信し、振り袖の提供を呼びかけた。柔軟な発想で扉をこじ開けた。 現在、協力者は80人を超えている。定期的に撮影会を開く。参加者の喜びの声を聞くと、自分の存在を実感するという。

そうなんです。このプロジェクトをやっているのはまだ24歳の女性、しかもご自身も施設で育ったんだとか。

こういう人は応援してあげなくちゃ、ですよね。

それこそ「お互いさま」なんです。

 

クラウドファンディングやっているようです。ぜひお力になってあげてください。

振袖を通して生きる勇気と一歩を~児童養護施設出身ボランティア団体代表まこちゃん~

camp-fire.jp

 

 

 

※何日前の記事で僕は「成人式は両親のためにやれ」という記事を書いてしまいましたが、親のない子もいるんだよなとちょっと反省しました。