ソロで生きる力@荒川和久

来年1月に新刊「超ソロ社会-独身大国日本の衝撃」が出ます。「結婚しない男たち」とあわせてよろしくお願いします。独身研究の第一人者としてテレビ・ラジオたまに出ます。東洋経済オンライン、読売新聞オンライン他コラム等執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

私たちを取り巻いていた「安心」はいつの間にか消えつつあるかもしれない。

いよいよ明後日です。

5/12土曜日、トークイベントに登壇します。

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チケットはこちらから。

 

peatix.com

 

イギリスが孤独担当大臣創設というニュースが流れた時、やたら新聞各紙から取材を受けました。「日本でも孤独担当大臣、必要ではないですか?」という結論ありきで来るメディアが多かった。

そんなもん不要ですよ。

そう答えると、書きたかった記事と主旨が違うのか、人の時間を奪って取材しながら記事にもしない失礼なメディアもありました。

まあ、それはいいとして、世間の人は「ひとりでいる」ということは孤独でさびしいものだと決めてかかりたいようなのです。言い方変えると、孤独と孤立を混同している。

これは大きな違いです。

問題なのは、心理的に孤立してしまう方であって、状態としての孤独はたいした問題じゃない。

たとえば、老人向けのシェアハウスというか、世代をまたいだコレクティブハウスでもいいんですが、孤独な高齢者をそういう施設に入れたほうが孤独死を削減できるとか言うじゃないですか。多分、女性の高齢者や男性でも割と強調性や集団生活が苦にならない人はいいと思います。でも、大抵の爺さんは、誰かと一緒に暮らすことがそのものが苦痛の人も多い。

さびしいという感覚を埋めるためなら、別に家の外でつながればいいし、何も同じ屋根の下で暮らす必要もないんです。

むしろ物理的にひとりでいる状態を日常的に確保できないことの方がストレスなんです。

※余談ですが、もし婚活している女性で結婚生活に向いている男をゲットしたいのであれば、迷わずシェアハウスに住んでいる男性を選べと言いたいです。まず間違いなく結婚したがり男です。

 

とにかく、単身世帯が増えると孤立社会だとか、高齢者の一人暮らしは孤独死リスクを高めるとか、なんでもかんでも状態でしか物事を判断できない人が多すぎる。

孤立の問題の対象とは、未婚者というよりも、一度結婚して配偶者と離別や死別をしてしまった人の方です。

家の中の話だけではない。職場においても心理的に孤立してしまっている人、させられてしまっている人は多い。

人間がもっとも孤立の辛さを感じるのは、周りに大勢の人間がいるにも関わらず、自分のことを誰も気にしていない、透明化してしまっていることを感じた時ではないかと思います。案外山奥や無人島に一人でいさせられても、人間はかえって適応してしまうもんです。

要するに、誰かと一緒にいれば孤独や孤立の問題が解決するなんて短絡的な話ではないんです。

ソロ社会化の問題もまさにそこで、状態として独身が5割、一人暮らしが4割になるから問題なんじゃない。かつて心の安心の拠り所であった地域や家族や職場といった共同体がなくなってしまうことによる、一人ひとりの心の不安感の増大なんです。そうした心の不安は、誰かと一緒に住めば解決するような簡単なものではない。

どうすればいいのか。そんなお話をしたいと思います。

個人化する社会の進行は止まりません。結婚しても家族は家族しか頼れるものがない状態へと自分自身を追い込んでいきます。仕事も収入も心の病もすべて自己責任の名の下で一刀両断されます。今まで私たちを取り巻いていた「安心」というものがいつの間にか消えてしまっていることに気付いているでしょうか?

コルク佐渡島さんの新刊「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE」を読みました。その中に「安心と自由を人は同時にほしがるが同時には手に入れられない」という意味の言葉があります。

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従来の地域・家族・職場といったコミュニティは安心をくれたがその分制約も多く不自由だった。今、私たちは自由に行動できるが代わりに大きな不安に包まれている。どっちが幸せかという二者択一の話ではありませんが、いろいろ考えさせられます。

 

WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)
WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book) 佐渡島 庸平

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最期に、ひとつだけ言っておきますが、ソロ社会は決して絶望の未来ではない。むしろこれから生きていくために全員に必要な、自己と向き合う力を養うべき機会かもしれないのです。

ぜひお越しください。