ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

なんでもかんでも「ソロ活」扱いするなよ→ソロ送別会の違和感

今日の夕方?NHK神戸放送局のニュースの中で「“ひとり”を楽しむライフスタイルに注目」という特集がされたようです。要するに「ソロ活」についての紹介です。

ただ、僕にはお声が掛かりませんでした。

なので内容は知りませんが、ツイートされた内容を見ると、ソロ活の紹介として、ソロカラオケ、ソロ焼肉、ソロ居酒屋などが紹介されていたようで、ここまでなら納得の内容です。

しかし、気になるツイートが! 

 

ソロ送別会?

 

なんじゃ、そら! 

 

どうやら、いろんな事情で送別会をしないまま退職する人のために、店員が全力で祝い、再出発を応援するものらしいです。大阪・兵庫の和食レストラン「ごちそう村」が企画したものだとか。

こちら、事前にいろいろネットニュースにもなっています。

 

news.goo.ne.jp

 

www.daily.co.jp

 

いやいやいや…あのね…。ソロ活ってこういうことじゃないんだよ。

 

これって、本当は皆と一緒に送別会したかったのに、できなくてさみしいって人の慰みでしょ?むしろソロ活とは対極にあるものですよ。ソロ活できる人は、「送別会なんてやってもやらなくても別にどっちでもいいわ!」 ですよ。ていうか、そもそも「会」と名前がついている時点で、集団でやる前提じゃない。ソロ活じゃねーよ。

一人でやってたらなんでもソロ活呼ばわりするのはやめてほしい。違うから! 

 

大きな誤解があるんだけど、通常大人数でやることを、友達がいないから仕方なく一人でやることをソロ活というのではないんです。ソロ活とは、そういう仕方なくやるものではない。通常大人数でやることなのか、一人でやることなんかという定義なんかもどうでもいいんです。

肉を食いたいから食う、一人で食う。カラオケしたいから歌う、一人で歌う。音楽フェス行きたいから、一人で行く。以上! でしかない。

誰か一緒に行ってくれないかな~、とか、誰かが横にいてくれないとさみしいな~、なんて思っている時点で、それはソロ活じゃない。

ツイッターでも、こんな意見が。

 

おっしゃる通りだと思います。

勿論、このお店に悪意があってやっているとは思いませんが、少なくともおもしろおかしくしようとする意図はありますよね。誤解を招くというのもあるんだけど、ひとりぼっちを揶揄するような心根が見え隠れしていて、正直個人的には気分悪い。本当やめてほしいわ。 

 

もし、僕がこのサービスを解説するなら、こういうのは、ソロ活の真反対に位置する「トモ活」のひとつです(NHKのシブ5時で言いましたけど)。トモとは、友ではなく共の方です。ソロに対して、誰かと共に行動したい、というものをトモ活と言います。

しかし、この送別会は、共に過ごす相手がいないから店員で代用するという「エセ・トモ活」ですよね。しかも、これにはソロ活において重要な「一人で自立的に活動するからこそ、誰かとつながれるきっかけになる」という要素も何もない。店員が「おめでとう」と言っているのは、単に「いらっしゃいませ」と同程度の意味であり、そこに人とのつながりなんか発生しない。

こんなのやって何が楽しいんだ?って心底思います。

 

まあ、人それぞれですから、これでご本人が精神的充足を得られるならそれでいいと思いますが、だとしてもこれはソロ活とは違う「なんちゃってトモ活」でしかない、ということだけははっきり言わせてもらいます!