「出生数過去最少」のニュースに、いちいちうろたえている場合ではない
本日話題になっていたニュース。2018年の出生数が厚労省から発表されていました。
出生数は91万8397人で3年連続で過去最少を更新し、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す「合計特殊出生率」は1.42で、3年連続で低下した。死亡数は戦後最多の136万2482人だった。死亡数から出生数を差し引いた自然減は44万4085人と初めて40万人を上回り、人口減少はさらに加速している。
とのこと。
こうしたニュースに、ツイッター上では、「このままだと日本終わる」とかの反応が相変わらず出まくっているんですが、いかに政治家やマスコミがちゃんと事実や情報を提示しないで誤魔化しているかってことの証明です。
少子化は1975年から始まっているし、もはやどうにもならないことは1990年代に政府も官僚も予見していたことです。政治家たちだってそんなことは了解しているはずなのに、「少子化・人口減少上等」などと言おうものなら、下手すれば選挙に落ちる可能性があるから誰も言わないですよね(一部の気骨ある政治家はちゃんと言ってますが)
政治家が頑張ろうが、政府がどんな施策をしようが、少子化の流れは止まりません。社人研がちゃんと推計結果を出しているのに、マスコミは揃いも揃ってそれを隠ぺいとまでは言わないけど、あえて報道しようとしないんですよね、不思議なことに。
合計特殊出生率の話で言えば、日本はなんとか1.4あたりをキープしていて、これは一時期1.26まで落ち込んだ頃から比べれば持ち直した方と言ってもいいでしょう。
ドイツと日本はよく似ていて、しばらく同様の推移を示していましたが、ドイツは移民出生により近年やや上がりました。
深刻なのは韓国です。先進国の中では、1975年3.3もあって群を抜いていましたが、一気に下降し、遂に1を割って0.98になりました。
勘違いされる方もいますが、合計特殊出生率とは未婚者も含みます。よって、未婚化が進めば下がるものです。結婚した女性が生んだ子どもの数は、完結結婚出生児数といって、約2人です。つまり。結婚した女性は大体2人の子どもを生んでいるんです。少子化は、未婚化や子無し夫婦の増加によるものとみるべきなんです。
少子化対策には「子ども一人に1000万円支給しろ」なんてとんでも論法を展開する人がいますが、そもそも少子化の原因はそこじゃないので的外れもいいところなんですよ。むしろ、金欲しさに子どもを生む弊害の方が問題です。
少子化の話題になると、必ず「フランスではこうだ。見習え 」という出羽守が湧いてきます。
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少子化や人口減少のニュースのたび「このままではいかん」とか言う人がいるんだけど、もはやそういう問題ではありません。現実を直視できずに、顔真っ赤にしてそういう精神論叫んでくるおっさんの様を見てると、太平洋戦争末期の日本軍の姿を思い浮かべます。日経COMEMO更新 https://t.co/hyarTRym8p
— 荒川和久@「ソロエコノミーの襲来」著者 (@wildriverpeace) June 7, 2019
ちなみに、「人口減少でいちいち大騒ぎしなさんな」という話を書くと湧いてくる太平洋戦争末期の日本軍おじさんたちが顔を真っ赤にして書きなぐった誹謗コメントはこちらで読めます。匿名で情けない。あほらしい。