ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

受け身の恋愛弱者は、結婚相手を選択することができない

結婚したいけど出会いがない…。

これは、婚活男女に共通する悩みのひとつです。

 

それもそのはずで、かつては、職場での出会いが圧倒的に多かったのですが、昨今のセクハラなどの締め付けで、たとえセクハラにならなかったとしても、社内で異性をデートに誘う行為は控えるという方向にいっています。

そもそも、男も女も7割が受け身なので、お見合いもなければ、職場での出会いもないと八方ふさがりです。詰みます。

未婚化・非婚化の流れは、「結婚するつもりがない人」にとっては何の問題でもありませんが、「結婚したくてたまらないのにできない人」にとってはいたたまれないことでしょう。

マッチングアプリなどがあるじゃないかという声もありますが、あれを使いこなせるのは3割の恋愛強者だけです。恋愛強者に限れば、アプリがなくても友達の紹介でも飲み会でも路上でも出会いなんて作れます。

皆婚時代は、社会的な結婚のお膳立てシステムとしてのお見合いが機能していました。恋愛に受け身体質であっても、おせっかいなおばさんなとぜがどんどんと相手を紹介してくれました。出会いは向こうからやってきたわけです。

お見合いというと、親同士が勝手に決めて、当事者同士にはその決定権はなかったと勘違いしている人もいますが、昭和・大正・明治もそれこそ江戸時代であっても、お見合いに関して当事者の意思は尊重されたのです。嫌だったら断ることもできました。

とはいえ、断るにも限度というものがあります。

年末に、テレビで『明石家さんまの爆笑!ご長寿グランプリ2019』という番組を見まして、その中の「ご長寿ビデオレター」というコーナーで、28回お見合いした83歳のおじいさんの話がとても面白いものでした。

27回断り続けたおじいさんの精神力もすごいですが、それにめげず、最終的に28人もの見合い相手をアテンドした仲人さんにも凄まじい意地と執念を感じます。

このおじいさんが、28人目と結婚した理由とは何か?

マイナビウーマン連載「知らないと困る結婚の数字」。今回はこの話にインスパイアされて書いた記事です。

おつきあいした何人目の人と結婚するのがベストな選択なんでしょう?実はこれには正解があります。マーティン・ガードナーの法則と言われるものです。とてもおもしろい内容となっていますので、ぜひご一読くだい。

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ところで、同じような選択の法則に、コロンビア大学の教授シーナ・アイエンガー氏によるジャムの法則というものがあります。マーケティングにおいてよく参照される有名な法則です。

24種類と6種類のジャムでどちらがより売れるのかという実験をしたところ、6種類の方が購買率が高かったという話である。品揃えが豊富で、たくさん種類があると、自由に選べて楽しそうですが、選択肢が多すぎると人は決断することができなくなります。選択肢が多すぎると選択それ自体を放棄してしまうのです。

人間はせいぜい4~6種類くらいの中からしか選択ができないものなんです。それはジャムであっても、車であっても、住宅であっても、結婚相手であっても変わりません。

特に男性諸君。日々のランチのメニューなど、ついついいつもと同じ店に行って、いつもと同じメニューを頼んだりしていませんか?

受け身の男性は選択が嫌いなのです。