ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

日本の高齢既婚者を蝕む「見えない病」とは?

老後、ひとりになっても自分らしく生きるには、どうすればいいのか?

そんなテーマで、3月1日、朝日新聞のReライフフェスティバル「リアル読者会議」に登壇させていただきました。

その様子はこちらにて。

https://www.asahi.com/relife/special/festival/1223083

高齢になると健康問題は最大の関心事になります。生活習慣病や癌など気を付けなければならない病気がたくさんあります。しかし、日本の高齢の既婚男性に限ると、彼らを静かに蝕んでいる「見えない病」があります。

それが「妻唯一依存症」です。

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拙著「ソロエコノミーの襲来」の中でも指摘させていただきましたが、「結婚しても誰もがいつかはソロに戻る可能性がある」わけです。にもかかわらず、その認識が著しく欠落しているのが、特に50代以上の既婚男性たちです。

彼らの大部分がかかっている病といっていいのが、頼れる人が、妻だけになってしまう「妻唯一依存症」という状態です。※もちろん医学的な病気ではありません。

子どもが独立し、定年退職して無職になった既婚男性(特に、現役中仕事に没頭し、無趣味な人)が突然発症するパターンが多いようです。まるで母親に甘えるがごとく妻に依存してしまいます。妻を大切に思うことと、妻だけに依存してしまうこととはまったく違います。

イベントでもスライドとして使用しましたが、2010年内閣府「第7回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」によれば、日本の高齢男性は、米国やドイツと比べて、配偶者に依存する率がきわめて高く、その依存率は8割近くになります。

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夫婦が共に依存し合っているわけではなく、妻側は54%と夫側と比較して24ポイントも低いのです。夫が妻に依存しがちのは、米国もドイツも同様ですが、それにしても日本の夫の依存度は高いと言えます。

この調査では、他に「心の支えになる人」として「子ども」「兄弟姉妹」「友人」を選択肢としてあげていますが、日本の男性の場合、「友人」の率が3か国中もっとも低いというのも特徴です。家族以外に頼れる者がいない。これが、現在日本の高齢男性の置かれている境遇なのです。

「家族を頼る」こと自体は悪い事ではありませんが、「頼れる先が家族、それも配偶者しかいない」という状況は決して健全とはいえません。

そして、何より悲しいのがこれです。

 

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https://comemo.nikkei.com/n/n5250a33fb658