ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

いつまでも続くもの

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いつまでも続くものなんてどこにもない。

感動も喜びも幸せも命さえも…。

確かにその通りだ。

 

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続かせることが大事なのではない。

瞬間瞬間で感じることが大事。

結果、それが続いたというのは結果論。

 

ただひとつ

いつまでも続くものがひとつだけある。

 

それは、自分自身との付き合い。

これは死ぬまで、ずっと続くものだ。

だからこそ、自分自身を一番大事にしよう。

NewsPicksの3月マンスリー・プロピッカーを拝命しました。

NewsPicksの3月マンスリー・プロピッカーを拝命しました。光栄です。ありがとうございます。

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人口減少社会の生き方というテーマです。NPやられている方は、フォローお願いしますwww

newspicks.com

 

【人口減少社会の生き方】少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口と総人口は減少に転じています。子育てや働き方など、個人の生き方にも注目が集まる中で、日本の未来はどうなるのでしょうか。このテーマには、村上由美子氏、藤波匠氏、荒川和久氏、髙崎順子氏の4人が就任します。

もはや、迂闊なことは書けなくなりました。

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所信表明といいますか、意気込みみたいなものを書いた記事がこちらにあがっています。

【プロピッカー】人口減少社会の到来は、日本に何をもたらすのか

newspicks.com

 

ざっくり、以下のようなことを書いてます。

ソロ社会と言うと、家族と独身とが分断される社会だと勘違いされますが、それらは決して対立項ではありません。家族とは血縁ではなく、“考え方の家族”となるべきです。
子どもを産むことだけが人間としての価値ではありません。ソロの人たちが、自分のために働き、趣味のために消費することが、意識としても結果としても、子どもたちを育てることにつながる社会になってほしいと願います。そうした社会が新しい未来のしなやかなコミュニティを創造することにつながるのではないでしょうか。
ソロ社会で必要になるのは、逆説的ですが、人とつながる力です。家族であろうと独身であろうと、それは同じです。人は誰かと関わりながら生きるものです。自立とは、他の誰の力も一切頼らないことではなく、頼れる依存先を複数用意できることで生まれるもので、依存先がひとつしかない状況の方こそ危険です。

 

そして、なんか早速コメントランキング入りしました。ますます迂闊なことが書けなくなります。

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家族が家族しか頼れない社会は最悪だ!

毎日新聞のこの記事。

「家庭教育支援法」成立目指す自民 「伝統的家族」なる幻想 家族の絆弱まり、家庭の教育力低下--!?

http://mainichi.jp/articles/20170301/dde/012/010/003000c

 

まるで指揮者のような安倍総理

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戦後日本は「伝統的家族」が壊れ、家族の絆が弱まって家庭の教育力が低下した--。そんな理由から、安倍晋三首相及び自民党は今国会に家庭教育支援法案を出すらしい。

 

安倍首相らが目指す家族像とはどのようなものか? 

第1次政権時の07年5月17日、衆院教育再生特別委で彼はこう答弁しています。

「かつては大家族、2世代、3世代同居という家族がたくさんあった。その中で親から子に受け継がれた知恵や工夫、地域の規律やモラル、そういうものが家族や地域の中で、教育に対する支援がなされたと言っていい」

ま、要するに「サザエさん一家」になれってことです。「家族の絆を大切にしろ」ってことです。

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そういえば、自民党改憲草案も「家族の相互扶助」を義務づけようとしていて気持ち悪かった。

 

法案提出するのは自由ですが、そんなの法律や憲法で規定することなのか?

大体、安倍さんの言っている古き良き家庭像というのは、実は戦後の高度経済成長期のものであり、日本人の原型ではありません。

 

家族が家族だけを唯一の拠り所として分断される社会こそ最悪の社会になります。

家族だけが最後のセイフティネットになってしまうと、家族同士の共依存を高め、結果共倒れになる危険性があります。

 

個人的に「絆」という言葉も嫌いです。「絆」なんて言葉はもともと「家畜や犬などをしばりつける」という意味で、「しがらみ、呪縛、束縛」の意味に使われていたものです。政府はそうまでして国民を縛りつけたいのか?

 

家族だけの絆じゃダメなんですよ。もっと人とのつながりは外部化すべき。そうすることで社会全体がゆるくつながる。その方がいいんです。

 

記事にあった京大落合教授の以下の言葉を引用します。これは、家族の人たちこそ肝に銘じてほしい。

世界では『家族主義は家族を壊す』が定説です。家族の相互依存を必然とする制度を作ると、家族が互いの負担になり、家族は壊れる。柔軟性こそが日本家族の伝統なんです。

 

ちなみに、拙著「超ソロ社会」の中に、家族だけに依存し、家族という自己責任の中で起きた悲劇について書いています。2006年2月に起きた、いわゆる「京都認知症母殺害心中未遂事件」です。決して他人事ではありません。

こちらから一部をご覧いただけます。

shuchi.php.co.jp


こういうこと(安倍政権批判的なこと)書くと、すぐ「左だ」とか言ってくる人いるんですが、いまどきまだイデオロギーとか言っている人って恥ずかしくないのかな?右とか左とかいつの時代だよ!イデオロギーの時代はもう終わったよ。

客観的に聞くと「自分、おしゃべり野郎だな」と思ってしまった件

以前収録した、FMヨコハマ「E-ne!~good for you~」の「エシコン」コーナー、本日3月1日14時にオンエアされました。

 

"優しさがしなやかに繋がる 2035年の 超ソロ社会!!"と題して、DJのMITSUMIさんとたっぷりお話しました。DJのMITSUMIさんはとっても話しやすい進行していただいて助かりました。

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こちら番組ブログの方にも記事があがっています。

E-ne! ~good for you~ - Fm yokohama 84.7: 優しさがしなやかに繋がる 2035年の 超ソロ社会!!

 

編集後のやつは初めて聞きましたが、いい感じに仕上げていただいてうれしいです。我ながらいいこと言ってますwww

というか、いいこと言っているように聞こえるのは多分MITSUMIさんのリアクションのおかけです。

ありがとうございます。

ですが、「まあ、自分よくべらべらしゃべるなあ…」という印象しかない。今更ですが。

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放送はpodcastからもお聴きになれます。ぜひ!

www.fmyokohama.co.jp

「Keep Green & Blue」→「エシコン」より。

人は人と出会い、付き合うことで、新しい自分が生まれる。

今日はこんなニュースを取り上げたいと思います。

zasshi.news.yahoo.co.jp

 

整形外科医の高須院長が、なぜか自分の恋人である漫画家の西原理恵子の手術を頑なに拒絶しているらしい。

西原本人が自分のだんご鼻を嫌い、整形を切望しているにも関わらず、だ。

もちろん、高須院長なら手術は簡単なはず。しかも、自分自身に美容整形を施すくらいだ。それだけ美容整形というものに対して積極的に推進する立場の彼が、恋人の顔だけは整形を拒否する理由とは何か?

彼はこう語ったという。

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いいですかりえこさん、人は欠損に恋をするんです。黄金率でないもの、弱いもの、足りてないもの、人はそれを見た時、本能で補ってあげようとする。その弱さや未熟さを自分だけが理解していると思う。欠損の理解者になるのです

 

なるほどね~。

ここまではっきりと「欠損」扱いされた西原本人の気持ちは察して余りあるが、まあそれは置いておいて、高須院長が言っているのは、「欠点を愛する」という気持ちだ。

顔の良しあしではなくても、性格でもいい。たとえ、本人が「これは自分の欠点だ」と思っている部分でも、それを「いとおしい」と思う人にとっては、それは欠点どころか魅力になる。

一部の隙もない完璧な容姿や性格に対して、全員が惹かれるわけじゃない。

なのに、人は、自分が欠点だと思う部分や、自分が嫌いな部分は、周りもそうだと思いこむ。それは視野が狭いのではなく、本質的に自分を愛せていない証拠。

 

自分を愛するということは、欠点も含めて愛するということ。

というより、自分が思っている欠点とは、決して普遍的な欠点ではないと気付くことだ。

拙著「超ソロ社会」のメインテーマのひとつである、人は人と出会い、付き合うことで、新しい自分が生まれる、ということを書いた。

西原が高須院長と出会うということは、今までの西原本人が思っていた「欠点をいとおしく思ってくれる相手」と出会ったということ。そして、それは、今までの自分では考えられなかったその欠点を許容してもいいという自分を生みだすことにつながる。西原本人が、整形の希望をきっぱり捨てて、今のままでいいと決断した時、新しい自分が誕生する。

それは、高須院長と出会わなければ、生涯見つけられなかった自分かもしれないんです。

もちろん、だんご鼻を治したいと思っていた自分が消滅するわけではありません。それはそれとして、多様な自分の中の一人として存在し続けるでしょう。しかし、高須院長との付き合い時間が長くなればなるほど、鼻を治したいという自分の構成比は下がります。

別にこれは、恋人同士じゃなくても、夫婦じゃなくても、ありえる関係性です。人とつながることで、自分の中の多様性を生みだすとはそういうことです。

だからこそ、人とのつながりが重要になるんです。

だって、自分一人ではそれに絶対気付けないから。

 

自分を変えたい、とかよく言う人がいるんですが、自分というものが過去の自分から突然ガラッと変わることなんかあり得ないんです。

変わるのではなく、分岐していく。

人との出会いの数だけ、新しい自分が生まれて、人間はどんどんとレイヤーを深めて行くのです。

 

唯一無二のアイデンティティなんかない。

本当の自分なんかいない。

何人も何人も生まれてくる自分たちの集合体が「自分」なんです。

 

そんなお話は、「超ソロ社会」の第6章に書いてありますので、ぜひよろしくお願いします。以上、ステマでしたw

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自分のことすら愛せない人間が、他者を愛することが本当にできるのか?

以前、僕もお世話になったNewsPicksの特集。『君の名は。』のプロデューサーとして、映画史上に残る大ヒットを生み出した川村元気氏の特集が組まれています。

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昨年11月に出版された彼の小説『四月になれば彼女は』を元に、なぜ今、恋愛小説を書いたのか。100人に取材して来て見えてきたものは何か。そして、なぜ現代の女性は男性に絶望するのか。現代の男と女を語り尽くすということで、興味深く拝読しました。全6回です。

まず面白いので全部ご覧になることをおすすめします。

 

第1回:小説とは「自己破壊」である

第2回:現代の女性はなぜ男性に絶望するのか

第3回:都市に生きる「30代以上男性」の病

第4回:「忙しい」はすごく危険

第5回:このままだと戦争が起きる

第6回:「オフライン回帰」のフェイズが来る

 

 

第二回「現代の女性はなぜ男性に絶望するのか」での川村氏の言葉。

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話を聞いていると、女性は男性に対して、「もうちょっと奥行きがあるかも」と思って恋愛したり、結婚したりしている。つまり、この人の今見えているより先の多様性みたいなものに期待して始めるわけですけれど、実際には、男性は、悲しいかな、驚くほど奥行きがない(笑)。自分もそうなのですけど、まあ、一様というか、せいぜい二様くらいですかね。片や女の人は、阿修羅像みたいにいろんな側面を持っているし、向き合う男性によって、使う顔をバンバン変える気がしていて。そこが面白いなぁと思っています。

 

向き合う相手によって使う顔を変えるということを女性特有なものと彼はとらえているようですが、男女差はないです。使う顔を変えるというと、キャラを演じているとか仮面をかぶっていると思われがちですが、これこそが個人の中にある多様性であって、女性だけじゃなく男性も同じ。

これは、拙著「超ソロ社会」のテーマともいうべき話ですから、詳しく書くと、他者と向き合えば必ずその間にその人と対したことによる自分が生まれます。相手のことが好きかどうかという感情は、相手そのものが好きなんじゃなくて、その相手によって生まれた自分が好きかどうかという感情なんです。人とのつながりの数だけ自分自身が生まれます。

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第四回「忙しいはすごく危険」では、「彼は男には能動性が乏しい」と語っていますが、それは同意します。男っていうのは、原始の時代から兵隊なんです。指示されないと能動的に動けない。狩りをしたのは、男が能動的にやっていたのではなく、子どもと共同体を守る女に促されてやっていたようなもの。鵜飼い=女で、鵜=男なんですよ。司令塔はあくまで女性。

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川村氏は、男の能動性が乏しくなった要因を以下のように語ります。

いろんな理由があると思いますが、1つは「自己愛」ですよね。やっぱり自分が一番かわいい。結局、恋愛は与える行為だから、「与えたくない。なるべく自分のために取っておきたい」と、お金や時間はもちろん、形がない愛情にまで思っている。その結果、人にまで回せないというのが大きいような気がします。

"「与えたくない。なるべく自分のために取っておきたい」と、お金や時間はもちろん、形がない愛情にまで思っている"という部分はまさにそう。でも、自己愛にあふれているというより、むしろ自己肯定できないから恋愛感情がわかないのだと思いますけど。

 

 

自己愛については第5回「このままだと戦争が起きる」の回で詳しく書かれているんですが…

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川村氏は、自己愛というものを幼稚なもので卒業すべき対象としてとえられているようです。なんとなく、彼は「自己愛」を「肥大した承認欲求」みたいなものと勘違いしているのかな、と言う感じはしますが…。

自己愛が強い人がいた時に奪い合いになるわけです。

自己愛が強い人たち同士だと奪い合いになると解釈しているようなので、自己愛を「身勝手な自己中心的思考」と考えているのでしょう。

「どうやったら人のために生きられるかな」というふうに綺麗事じゃなく本気で考え始めた
刹那的だったり、自分のためだけに生きていると、僕に限らす、絶対どこかで「あれ?これ、楽しいのかな?」と思うはずです。

なるほど…。

僕は、本当に自分を愛せる人だけが他者を愛せるようになる、と思っているので哲学としては彼と反対ですね。

されはどっちがいいとか悪いとか、どっちが正しくて間違っているという話じゃないんで彼を否定するわけではありません。

自己愛が強い人同士だと奪い合いが起きるという話も反対意見です。むしろ自分のことを愛している人間同士こそが他者に対する思いやりを持てる。

自分のことすら愛せない人間が、他者を愛すること本当にできるのか、甚だ疑問です。

そもそも「自己愛に飽きる」って、それこそ自分自身を肯定できていない証拠じゃないてじょうか。

「誰かのために」というのはいいですが、それって「利他」とか「誰かを愛する」という状態に依存している場合が多いと僕は思っています。

「利他」って心意気や気持ちの問題ではなく、結果でしょう?言葉で「利他」とか言うのって、もはやその時点で信用ならない。言い方変えると、誰かのためになんて気持ちがこれっぽっちもなくたって、例えば災害時にやった行動で結果的に誰かの命を救ったという結果なら、それこそが利他です。あーだこーだ口だけ言って何もしない奴は違うでしょうって話です。

 

ただ、哲学とストーリーメイクは違う。

作家でも映画監督でも、何かを表現する仕事をしている以上、「あなたと似たような感覚を持っていました」というふうに手を挙げてくれる人が出てこなければ、世に問う必要がないのではないかと思う。

これはまさしくその通りで、だからこそ『君の名は。』はあれだけの大ヒットになったのでしょうう。大体、身も蓋もない話をすると、それでは感動ができなくなるってもんです。俗に言う「救いようのない話」になってしまう。そんな話、金払ってまで見たいと思わないわけです。

共感させられる力ってストーリー作りには大事です。

 

川村氏と僕との間にある超えられない壁がわかりました…。

さすがに、勉強になりました。

 

四月になれば彼女は
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プライスレスなプレゼントを自慢する奴は大抵ドケチなだけ。

東洋経済オンライン連載-ソロモンの時代#8が公開されました。

今回のタイトルは…

外食費は1家族以上!独身男は「よき消費者」だ

一方、異性に贈るプレゼントは「ドケチ志向」

toyokeizai.net

 

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消費離れや消費支出の低迷がニュースになりますが、あれは大体二人以上の世帯、つまり家族の消費を指しています。

しかし、すでにマジョリティ化しつつあるソロ生活者の消費を見ずして、本当に市場を把握していると言えるのでしょうか?

ソロたちは、自分の幸せのために金を使いますが、だからといって趣味だけに出費しているわけじゃありません。日常の食費にこそ彼らの消費力が発揮されています。

特に、ソロ男たちは、平均3.4人の一家族並みに食費にお金をかけます。外食費にいたっては家族の倍です。

食の市場を動かす主役は、もはや主婦ではなく、ソロ生活者なのかもしれません。

とはいえ、独身者がかつての独身貴族のような消費行動をとっているわけじゃありません。金をかけるべき対象とそうでない対象とを厳しく区分けしています。要はメリハリ消費なんです。

そして、自分のためにお金をかけるのは惜しくないが、他人のためには惜しむ。だから、異性への贈り物はプライスレスにしがちwww

自作の歌とかプレゼントする奴は気を付けてください。もらった方は迷惑以外の何物でもありませんから。