ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

誰かを足蹴の対象にしないと得られない安心の残酷性

11/6日経のこちらの記事が話題になり、。ツイッターでは「モデルハウス」という言葉がトレンド入りした。
 

www.nikkei.com

 

独身の30歳代男性らに家族を持つ幸せを実感してもらうために、劇団員の妻役と娘役を用意して、20分程度の寸劇をモデルハウス内で楽しんでもらう企画だそうだ。

モデルハウスに入ると「パパおかえり」と女優の早織さんらの演じる妻子役に出迎えを受ける。「パパ、宿題手伝って」といった妻子役の演技に合わせて行動すれば、ホームパーティーの準備をしたり将来について話し合ったりする20~30分の家族体験を楽しめる。

案の定、独身者を中心にこの企画に対して、疑問と違和感と否定の声が相次いだ。独身男性だけではなく、女性たちからも「妻は専業主婦で、夫の帰りを待つ存在となぜ決めつけるのか?一体いつの時代のファミリー像を押し付けているのか」と全方位的に非難されている。

かくいう僕も、このニュースに触れた時に真っ先に思ったのが以下だ。

 

 

この企画は、二重の意味でわけがわからない。

ひとつは、販促施策として全く機能しないということ。もうひとつは、PR施策として最悪手じゃないかということ。

その理由については後述するが、同じように違和感を持ったNHKの記者が、素早く取材をした記事を発見した

 

www3.nhk.or.jp

 

この記事を読んで、ますます意味がわからなくなったと、気持ち悪ささえ感じた。

この中で、演出を手掛けたという劇団の人がこう言い放つ。

「あくまで演技ですから。面白がってもらうためのエンタメ。思い切った遊びです」

多分、本心でそう思っているのだろう。悪気もないのだろう。しかし、こんなふうに明るく言い放つ演出の人の無邪気さこそが、独身者に対する「悪意なき刃」であることをいい加減気付くべきではないか?

 

まず、本件は、独身者に対する家購入販促には何の役にも立たない。むしろ反感を買うでしょう。

独身男性が抱える精神的欠落感の穴埋めのために、擬似家族的な手法は有効な場合もありますが、間違いなく今回のような手法ではありません。今回のは、表面的な「家族ごっこ」に過ぎない

擬似家族がもたらす効用とは、家族のいる父や母が得られる「自己の社会的役割の確認」です。

幸福感も自己肯定感も独身男性より既婚男性の方が高い。これはどんなに同じ調査をしても結果は一緒です。同じ年収で比較しても、既婚の方が独身を上回ります。

それについては、こちらの記事に調査エビデンス付で詳しく書きました。 

 

toyokeizai.net

 

既婚男性の自己肯定感が高いのは、「家族を養っている」という意識です。この子は自分がいないと育たないという自己の社会的役割を確認できるからこそ、既婚男性は自己肯定感が高いのです。裏返せば、そんな妻や子を持たない独身はその欠落感分だけ自己肯定感も幸福感も低くなります。

しかし、だからといって、独身男が既婚男同様の自己肯定感を得るために、今回の企画のような上辺の「家族ごっこ」をすればいいという問題じゃありません。そんなまやかしの役割で自己肯定感などあがるはずがない。「家族を持つこと=幸せを感じる」ことは否定しませんが、それはウソ偽りの家族ごっこをすればいいという話じゃない。

それこそ「結婚したら幸せになれるはず」というフォーカシングイリュージョンへの洗脳です。

独身男には、独身男なりの幸せのツボがある。それは、結婚することや、家族を養うことだけではなく、独身であっても、自分の仕事や趣味の活動が誰かの役に立っていると感じられることです。決して家族ごっこなんかじゃない! 

 

仮に、この企画が解決すべき課題が、モデルハウスの有効活用で、それ自体で収益を生む仕組みを作りたいというならまだわかります。有料制にして、それこそアイドルの卵たちなどと束の間の家族ごっこを楽しみたい人向けのアトラクションなら、それを喜ぶ独身も中にはいるかもしれない。

しかし、今回の件の最大の問題点は、そもそも独身男たちの抱える心の欠落感を全く理解していない点です。

独身男に対して「お前らが結婚できないのは、家族の温かさみたいなものを知らないからでしょ?」「ほらほら、結婚したらこんな幸せなのよ」みたいな一方的な決めつけと誰かが決めた勝手な理想の押し付け自体が言いようのない気持ち悪さを醸しているのです。さらに、それをやった本人たちがまったく悪意なくやっていることが最高に気持ち悪いのだ。

 

もうひとつ大きな間違い。

未婚男20-50代の7割が年収400万未満です。20代だけではない。非正規だけでもない。むしろ未婚男は低収入正規社員の方が圧倒的に多い。彼らが結婚にも家購入にも振り向かないのは、理想云々ではなく現実問題。

ぶっちゃけ「一軒家なんていらない」んですよ。そんな余裕があるはずもないが、仮に買える資金があっても、35年ローンを組んでまで家を買うくらいなら、もっと幸せになれるお金の使い方があります。

なぜ昭和の新婚の夫が、35年ローンで家を買ったかといえば、それがあの時代の夫としての規範だったからです。規範を守ることで、実は男は自己肯定感を得られるという不思議な生き物なのです。自由にさせられたら、男は案外不幸感に苛まれます。

しかし、もっとも大きな要因は35年のローンを組んでも、会社は倒産しないし、給料は右肩上がりにあがるという昭和の安心神話があったからです。

もはやそんな安心はどこにもないし、そもそも結婚したとしてもいつ離婚するかもわからない。そんな不安だらけの中で、たいした収入もない30代の男が未既婚問わず、一軒家なんて買えるわけがないのです。

 

売る気のない相手にこんなことをして何の意味があるのでしょう?

もうひとつ目的があるとすれば、話題化によるPR効果です。確かに今回はメディアにもいろいろ取り上げられて、単純な露出効果として成果をあげたかもしれません。それだけでもいいのだ、というならそれでも結構でしょう。ご勝手にどうぞと思います。

しかし、これでこの企業にとって何かプラスになったのか?

僕には甚だ疑問しかありません。 

 

 

理想の家族ってなんでしょう?そもそも家族を持たないといけないものでしょうか?だとすると結婚もせず子をなさない者はダメなんでしょうか?結婚して家族を作っても別に一戸建て住まないといけないんでしょうか?それぞれに理想はあるとか口では言いながら、統一的理想の押し付けになっているという大きな矛盾があります。

世の中のいじめやハラスメントの大半は、「悪意なき人による価値観の押し付け」によってはじまります。

「結婚して子どもを持ち、一軒家に住んで幸せに暮らしたい」という価値観の人もいるでしょう。それはそれで結構なことですが、だったらそういう価値観の方々をお相手にコミュニケーションをしてください。

わざわざ独身に声をかけ、体験させて、あまつさえ映像化して公開するなど、申し訳ないが、悪趣味としか思えない。映画「ジョーカー」におけるロバート・デニーロが行った行為と変わらない。自分たちが腹を抱えて笑えるなら、その対象がどんだけ傷ついても関係ないのだ。

 

誰かを嘲笑の対象にして、自分たちは違う立場だ、よかったね、と安心して得られた幸せなんて、果たして本当の幸せと言えるのだろうか?

AbemaPrime出演! 全員結婚した時代の方が異常なんだよ

11/6に、AbemaPrime に出演しました!テレビ朝日のやらせ番組謝罪会見のために一回飛んだやつです。

 

テーマは「出生数が激減 "超少子・高齢化社会" ニッポンに処方箋は?」。

時間が短かったので、喋り足りなかった部分もありましたが、とっても楽しかったです。

しばらくこちらから動画がご覧になれます。

 

abema.tv

 

出演者の皆さまと。

左から、ハルさん、松浦シゲキさん、堀潤さん、僕、パックンさん、宮澤エマさん、平石さん、穂川果音さん。

 

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のっけから、こういう感じで。
 

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少子化対策なんて何をしても効果ないです、という立場で出ました。

まあ、いつも言っていることでブレはないのですが、こんなの厚労省の官僚の政治家も実はわかっていて、でもそれを公言しちゃうと選挙に影響したり大変だからお茶を濁すために対策しているフリなんですよ。

茶番です。だから年間2兆円といわれる費用だって、少子化対策というより、ほぼ「子育て支援」に使われているわけです。

それ自体を否定するものではないですが、こちらの記事に書いて相当話題となったように、「問題は少子化ではなく少母化」なのであり、お金の使い方が的外れであることは間違いないのです。

 

comemo.nikkei.com

 

日本どころか世界中が人口減少するのは、もはやだれが対策をしようと明らかに進行する自然の摂理であって、止められるものではありません。それについてはこちらにエビデンス付で書きました。
 

toyokeizai.net

 

この現実をなかったことにしようとする大人が多すぎなんですが、なかったことにしようがしまいが、確実にやってくる未来なんです。

だって2025年から毎年150万人以上死ぬ多死時代が最低2075年まで50年間継続します。年間生まれてくる赤ちゃんの数は90万人です。単純計算しても、90万-150万で1年で60万人ずつ人口減少します。それが100年続けば6000万人減ります。現在1億2千万人いますが、2100年日本の人口は6000万人を切ると言われています。すべて数字のつじつまき合っていますよね。

番組の中でパックンさんが指摘されていたように、「子ども一人産んだら1000万円」みたいなことをやってもいないで少子化は是正されないというのはおかしいのではないか?という意見もあると思います。

ただそれについても、実際それで効果があるかというと「そうでもなかった」というのが今のフランスを見ても明らか。

繰り返しますが、昔も今もお母さんたちは2人以上の子どもたちを産んでいます。合計特殊出生率が下がり続けているのは、決してお母さんたちが子ども産んでいないからではなく、そもそも未婚者が増えたに過ぎません。

どうしても少子化を是正したいなら、(婚外子事実婚のない日本では)自動的に結婚数を増やさないと効果はないという結論になります。

でも、結婚が増えないどころか、離婚数も増えつ続け、今の日本は「結婚が作られず、結婚が壊される」状態になってます。八方ふさがりです。

 

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番組の中でもうひとりの専門家が「結婚のマッチングを増やさないといけない」なんてことを言ってましたが、断言しますけど、そんなことごときで結婚が増えるなら、世の中の結婚相談所で一生懸命働いている仲人さんがあんなにご苦労するはずがないのです。絵に描いたキレイ事で、結婚なんか増えるわけがない。

番組の中で僕が力説したのは以下の点です(まあずっと言い続けていることですけど…)。

「どうあがいても少子化は是正されないし、人口減少も止められない。だとすれば、いい加減できもしないことを延々やるより、もうそういう前提に立った時に何をしないといけないか、そういう視点に変えていくべき」

「単に頭数として子どもの数を増やせばいいという考え方ではなく、今生まれている子どもたちを無事に健やかに育てていくために、大人たち全員が何をすべきか。自分の子かと゜うかは関係なく、結婚していようがいますが、子があろうがなかろうが、社会の一員として大人たち全員が子どもたちを支えていく、そういう社会を目指していくべきじゃないか」

 

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子ども一人産んだら1000万円の施策を全否定するものではありませんが、子どもを平気でエアガンでめった撃ちにして、殺してしまう親が残念ながら存在いることも事実です。お金欲しさに出産しないとは言い切れない。子どもは金を得るための家畜ではないはずです。

もちろん人口減少時代から静止人口時代への移行期にはいろいろ問題も発生します。ですが、冷静に考えていくべきなのは、現状の1億2千万人の人口が正常なのではなく、むしろこの100年の皆婚と人口増加現象そのものが長い日本人の歴史から見たら「異常」だったのです。

人口を体温と置き換えて考えればわかりやすい。今の日本(世界もそうだけど)高温でうなされている不健康状態なんですよ。

 

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とはいえ、この問題は労働力人口をどうとらえるか、という経済問題でも゜あるので、それを全部議論するには45分ではとても足りませんでした。

ぜひそのあたりにも踏み込んで、また番組に呼んでください。

 

ちなみに、そのあたり(結婚は増えない)について書いた拙著がこちらになりますので、よろしくお願いします。

「結婚滅亡 オワ婚時代のしあわせのカタチ」

https://amzn.to/36r3Idj

 

 

とにかく、結婚しない人たちが自分が未婚であるという状態で卑下したり、「社会の役に立ってない」などと思うことがあっていけないと思います。

相変わらず「結婚できないのはそいつの意思が弱いからだ」とかいうマッチョ頭脳の人たちが多くてうんざりするのですが、非婚化もソロ社会化も人間の意思が作り上げたものではありません。すべては構造の影響です。言い方変えれば、自然の摂理。

人間ごときがジタバタしてなんとかなる問題じゃない。どう適応するかを考えるのが人間の務め。

 

「そもそも結婚する気のある未婚者なんて半分もいない」という話をしたんですが、宮澤エマさんが「なんか、私の話みたいになってきた」とリアクション!エマさんが「ソロ女」価値観であることが判明しました。 

 

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 正直、エマさんがおキレイで、見とれてしまった。後で動画見たら、僕はずっとエマさんの方ばかり見てしゃべっていますねwww

 

 

ハロウィンの渋谷に生まれた「接続するコミュニティ」

昨夜のハロウィン、渋谷はまたしても大変なことになっていました。先週の土日に僕は渋谷に行ったんですが、その時はコスプレしている人の姿もまばらで「あ~、遂に渋谷ハロウィンも終わりがきたのかなあ」などと思ったものでした。

しかし、やはり10/31の当日は違った!

 

これは20時48分の渋谷ライブカメラの映像です。

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右奥が渋谷109ですが、もう道玄坂の方は全面通行止めになっていて、車道にもあふれる人並み。

動き出すとこうです。

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キレイな写真はこちらをご覧ください。

 

 

まさに、人、人、人…。そして、このほぼ全員がコスプレをしているという…。人がこれだけ集まる様をどこかで見たような気がすると思ったらこれでした。

 

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これは隅田川花火大会における両国橋の状況を「三都涼之図 東都両国ばし夏景色」(1859年五雲亭貞秀)です。

江戸時代にもコスプレがあったという話は拙著「ソロエコノミーの襲来」にも詳しく書きましたが、天保十年-1840年、京都での仮装踊りを表した小澤華嶽の『蝶々踊図』にそれが描写されています。タコやすっぽん、なまず等クオリティの高いコスプレで踊る人達が描かれています。

 

 

時代が変わっても、人の行動なんてそんな変わるものではないのだな、とつくづく思います。

渋谷のハロウィンに関しては、その騒ぎっぷりに対して冷ややかな視線を送る大人たちも大勢います。確かに、今年も逮捕者が何名か出たらしいですし、毎年ゴミも多く捨てられたりします。が、こうしたハレの場でバカ騒ぎをすること自体は否定しちゃいけないと思うんですよね。「ハロウィンは日本伝統的な祭りじゃない」とか言い出すのは、それこそ無粋というものです。

何の面識もない人がこれだけ大勢(100万人くらい?)同じ場に仮装して集まり、互いに写真を撮りあったりして、刹那のつながりを作ることができるって、まさに僕の提唱する「接続するコミュニティ」そのものだと思います。

そんな中、こんな衝撃的なツイートを見かけました。ツマミ具依さんという方の企画です。

 

続きは日経COMEMOにて。

 

comemo.nikkei.com

皆の安心のために生贄とされた「子ども部屋おじさん」という不実

人間は、それがファクトに基づいているかどうかは関係なく、自分の信じたいものをファクトと認識します。

若者の草食化なんてのもそのひとつですが、今回テーマとした「親元未婚が増えている」というニュースが流れていますが、そもそも大嘘です。増えてなどいません。

事実として親元未婚が増えているかどうかは問題ではないのです。
おじさんを叩きたいし、いい歳して親元に住み続ける未婚男性を馬鹿にしたいだけなのです。そういう人たちにファクトを提示しても、「見なかったことに」されてしまいます。

個人的な不快感や怒りの感情に支配されると事実すら透明化されてしまう危険性について書いています。

ぜひご一読ください。

toyokeizai.net

 

 

以下は、ぜひ東洋経済の記事をご一読になった後にお読みください。

 

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今回、この記事を書く動機となったのは、 10/7に日経ビジネスオンラインに掲載された "90万人割れ、出生率減少を加速させる「子ども部屋おじさん」"という記事です。

business.nikkei.com

 

基本的に少子化の原因は婚姻率の低下(未婚率の上昇)という点から論じています。その部分については僕も賛同します。しかし、納得できないのは以下の論理の飛躍(というか破綻)です。以下、引用紹介します。

とりわけ、一番出生率に影響を与えるとされる、20代後半の未婚率が増えている可能性が高い」と天野氏は分析する。非正規雇用の増加、給料の減少、社会保障費用の増大と、若年層を取り巻く雇用環境は厳しい。こうした経済的環境が未婚率を加速させている部分はある。だが、天野氏は未婚率の上昇は必ずしも経済的理由とは限らないと話す。「20~40代の独身男女の6~7割が親や親族と同居している。子どもを手元に置いておき、仕事や結婚に関してまで口を出す親が昔より増え、自立できない若者が増えている。結果、結婚しようとしない若者の“増産”につながっている」(天野氏)というのだ。男性の方が数が多いこともあって、天野氏はこうした現象を「子ども部屋おじさん」と呼んでいる。

少子化は、20代後半の未婚率の上昇の影響といいつつ、結局親元未婚のおじさんの問題と言いたいかのようなまとめである。男性の方が数が多いこともあって「子ども部屋おじさん」と乱暴に断じているのだか、男の数が多いのは当たり前で、何度もいうように未婚人口は男の方が女より340万人も多いのですから。

この記事だけを読んだら印象として、少子化の元凶はいい歳して結婚もせず、かといって親から独立もせず、親元に住み続ける中年のおじさんのせいだと思わせる危険がある。事実、そうした思い込みをしている人も多かった。

とんでもない事実誤認です。

これに対して、僕がツイッターで書いたのが以下です。

 

今回の「ソロモンの時代」にもグラフを掲出していますが、親元未婚率は35歳以上男女とも完全一致しています。男が多いなんてことはこれっぽっちも言えない。正しくいうなら「子ども部屋おじさんもおばさんもたくさんいる」ということになります。

このツイートはご覧の通り、1000いいねと933RTをいただきました。それくらいこま記事に対する違和感が多いという何よりの証明です。

親元未婚に関する正しいファクトは東洋経済の記事をご覧いただければわかりますが、簡単にまとめると…

 

続きは日経COMEMOにて。

 

comemo.nikkei.com

 

10/22NewsPicks"UPDATE"に出ます!

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来週10/22夜22時、NewsPicks「The UPDATE」に、ゲストとして出演します。

テーマは「結婚は時代遅れなのか?」だそうです。

登壇は、他に古坂大魔王さん、NPの佐々木紀彦さん、CRAZY WEDDING創業者の山川咲さん、株式会社MYALL代表取締役会長の大木隆太郎さん、産業医の大室正志さんです。

 

日本で増え続ける未婚の男女。
晩婚化・未婚化に歯止めがかかりません。
また、価値観の多様化などを背景に、「結婚できない」わけではなく、「あえて結婚しない」道を選び、趣味や仕事に生きる人々も増えてきています。
多くの人が「自分らしさ」を求めるようになった現代において、結婚はすでに時代遅れのものになってしまったのでしょうか?
これからの社会で、幸せを実現するための理想の形とは何なのでしょうか?
CRAZY WEDDING創業者 山川咲氏、「恋愛・恋活・婚活」事業に投資を行う、株式会社MYALL代表取締役会長 大木隆太郎氏、独身研究家 荒川和久氏、産業医 大室正志氏を交えて、討論します。
NewsPicksアカデミア会員の皆様は、下記より番組観覧にお申し込み頂けます。(先着40名)

観覧のお申し込みはこちらから

newspicks.com

 

後日、NewsPicksでもレポート記事が出るようなので、そちらもぜひご覧ください。

ハンガリーの少子化対策について考える

2050年までに人口が減るワースト20という記事がありまして、日本はワースト9位だそうですが…単に減少率でランキングしてもあまり意味はないと思います。

www.businessinsider.jp

ワースト20の顔ぶれを見ると、ほとんど人口の少ない国です。中には1000万人にも満たない国(東京より少ない)もあります。人口1億人以上の国は日本だけ。

実は、これこそが人口減少問題の本丸で、今後中国もインドも大幅に減少して、世界の人口はアフリカ以外全てが減少します。

それについては、このビジネスインサイダーの記事が出る半月以上も前に、「世界中が人口減少する」という記事を僕は東洋経済オンラインの連載で書きました。

toyokeizai.net

 

この記事は、なぜか、翻訳もされていないのに、海外からの注目度が高く、さっそくアメリカとカナダからの取材がきています。具体的メディア名はあえて出しませんが、海外の大手メディアが注目するのに対し、日本のメディアからのレスポンスは現状ゼロです。

日本のメディアは、「人口減少は不可避」という事実を頑なに認めようとしません。誰に忖度しているのでしょう?

 

ところで、ビジネスインサイダーの記事で、人口減少世界のワースト14位にランクされているハンガリーという国があります。

このハンガリーが打ち出した少子化対策がユニークなので、ご紹介します。

www.breitbart.com

 

簡単に翻訳しますと、40歳未満で初婚なら、1000万フォリント(日本円換算で約360万円=2019/10/15レート)を20年返済で国が無利子で融資してくれます。融資なので、返済する必要はあるんですが、第一子を産むと返済は3年間猶予されます。さらに、その3年以内に第二子を産むと、さらに3年間返済が猶予されるとともに、360万円のうちの1/3(120万円相当)の返済が免除されます。さらにさらに、第3子を産めば、残りも全額免除されます。

要するに、3人子ども産めば、貸した400万円は返さなくていいよってこと、あげたと同じことになります。ハンガリーにおける360万円は、平均年収の2.5倍とのことなので、日本価値にすると1000万くらいです。

まだ続きがあって、4人目を産むと一生所得税が免除されるそうです。

他にもいろいろとあるらしいのですが割愛しますが、とはいえ、条件があって…、

続きは日経OMEMOにて。

 

comemo.nikkei.com

 

あの阿部寛の「結婚できない男」が帰ってきた!

明日から始まります! 「まだ結婚できない男」。

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2006年に、「結婚できない男」というタイトルで、人気を博した阿部寛さんハマリ役のドラマが、13年の時を経て帰ってきます。もちろん主演は、あの時から13年たってもなお未婚のままの阿部さん演じる桑野信介(53歳)です。

個人的にも楽しみです! 

 

ドラマについてのご紹介は割愛しますが、この主人公の桑野のように、この10年ずっと未婚のままだった50代男というのは一体どれくらいいるんでしょうか?

ドラマの年数とは多少ズレますが、国勢調査で2005年と2015年の10年変化をみてみると、2005年時点桑野と同じ40代前半の未婚男は、89万6千人いました。それが、10年後50代前半になった2015年の調査では、80万6千人です。

10年たっても、たった9万人しか減っていません。結婚率(対10年前の未婚人数)にしたらたったの1割です。つまり、世の中の9割の未婚男は、このドラマの主人公桑野と一緒ということです。

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他の年代もあわせてみると、80年代生まれの現在30代はこの10年間で半分以上が結婚しています。40代前半も4割が結婚しました。結婚できなくなるのは40代後半からで、40-49歳結婚率は17%、50-54歳が10%と極端に下がります。

不思議なのは、還暦を過ぎた65歳以上の結婚率がむしろ上昇していることです。未婚者の結婚率なのでこれはあくまで初婚ということです。

かつて生涯未婚と言われたのは、50歳時点まで未婚だった人たちを指していましたが、60歳を超えて初婚する人たちが結構増えてきたわけです。

 

とはいえ、「40過ぎで初婚できている男なんて所詮金持ちなんでしょ?」という意見もあると思います。というより、「金持ってないおっさんなんか誰が相手にしますか?」という意味かもしれません。

ところが、就業構造基本調査での年収別10年推移を見ると、違った事実が浮かび上がってきます。

 

続きは日経COMEMOにて。無料です! 

 

comemo.nikkei.com