ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

J-WAVE生出演ご報告と、家族だけに依存する人たちに思ったこと

本日、J-WAVE「JAM THE WORLD」生出演してきました。

ナビゲーターはジャーナリストの青木理さん。

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おもしろかった。

青木理さんに、僕の生涯未婚をいじられましたw

そして、番組のスタッフさんが、一人を除いて全員独身という事実。。。やっばり、こういう制作系のお仕事って未婚率高いんだなあ。

リスナーからのメッセージで「自分が結婚できないのは努力が足りないからだ」というのがあったんですが、決して努力の問題ではありませんよ。ましてや、人間としての価値の問題でもない。

結婚してようが、してまいが、そんなことくらいで人間の価値は決まらない。子どもを産んでなかろうが、ちゃんと働いて税金納めて社会に還元していれば、それは子どもを育てていることと同じだ。胸を張っていい。ガラパゴスな既婚者たちの古臭い結婚規範なんか無視。自分を生き、自分を愛せば、自ずと何かの結果が出ますよ。

結婚できないことを負い目に感じ、自分で自分を追い込むソロたちが少しでも減ってほしいと願います。

 

あ…2ショットの写真、撮ってもらうの忘れてしまいました。ホームページの写真が小さすぎる。

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放送は、radikoで一週間、お聴きになれます。

radiko.jp

お時間ある方はぜひ!

 

そして、また放送に対してネガティブな意見もwww

もう毎度のことなんで慣れてきた。

聴いていると 違和感ばかりですね…私達日本人は歴史をさかのぼっても、現在も誇れる家族の形ありますよ…

何を聞いていたんでしょうか?

むしろ、この人は江戸時代までの日本人の家族の形を知らないようです。家族という言葉は明治以降の話で、それまでは「家」という言葉しかありませんでした。人間は「家」という、ある意味経済共同体を構成する要素だったわけです。武家や大商人は別にして、農民も町民もほとんどが共働きです。夫婦は互いに大事な労働力として尊重し合え、子どももまた労働力として重宝されていたわけです。

そして、もっと強固な地域の共同体というものが存在していた。今あるシェアリングエコノミーの概念は、むしろ江戸時代の方が普及していたくらいです。

家族よりも強い地域というコミュニティの中で、助けあっていたのが日本人の生き方のDNAです。家族だけに依存していなかったことは明らかでしょう。育児だろうと、仕事だろうと、実は地域のコミュニティが頼れる複数の依存先としてちゃんと機能していたわけです。

wildriverpeace.hatenablog.jp

 

今は、どうでしょう?

核家族化と社会の個人化に伴い、地域という共同体はほぼ壊滅しました。その結果、あまりにも家族に依存しすぎる人たちと、家族のことは家族で始末をつけろという自己責任意識が強まった。

家族ファーストの名の下に、イクメンなどという言葉によって、家族の中だけで問題を解決させるような世の中。妻は夫が育児協力しないことに腹を立て、夫は妻がイクメンになれていないという文句にストレスを感じる。それが果たして幸せなのか、と。

家族が、家族という縛りの下に、家族だけしか頼れないという状態は、やがて家族の共依存化を進め、共倒れになるリスクを抱えています。

それがわからない人が多すぎなんです。

 

家族に頼るんじゃない、とは言いませんが、家族しか頼れない人間にはなってほしくない。

ソロで生きる力とは、人とつながる力であり、頼れる依存先を複数用意できる力である。依存先がひとつしかない状態の方が危険なのだ。

血縁だけを家族と考えるのはもうやめた方がいい。家族を持つということは、考え方や価値観でつながるということだ。国民全員が結婚して家族を持つよりも、家族であれ、生涯独身であれ、大人たちは頑張って働くべきなんだ。稼いで税金を納めるべきなんだ。家族のために夫婦が無償労働しあったって経済は活性化しない。外注すればいいんだ。

少子化は進むよ、間違いなく。

だからって「産め」という号令は全く無意味。子どもを産むことはもちろん大事だが、子どもを育てるということに価値を置くべきだ。生涯独身だって、子を育てることには貢献できる。それを考えるべきだし、焼け石に水のようなぐたらない婚活支援に金をかけるよりよっぽどマシだ。

結婚できないと言っている自己肯定感の低い人たちに必要なのは、彼ら・彼女たちの達成感であり、達成感を得るために人とつながれる場です。そうした場での出会った人たち一人一人と向き合い、各個人が自分の中の多様性を活性化させて、自分を愛せるようになること。それが先決なんです。

あとは拙著「超ソロ社会」にてお読みください。

 

 

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