ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

政府の言う「女性が輝く社会」が進むと、女性の未婚率があがる。

昨日公開された東洋経済オンラインの連載「ソロモンの時代」の記事 "女性が直面する「稼ぐほど結婚できない」現実 未婚化は低年収男性だけが原因じゃなかった" は、かなりの反響をいただきました!

タイトルは編集さんが付けたものですが、要するに「政府の言う女性が輝く社会が進むと未婚率があがるぞ!」という話です。

 

たった1日で、週間ランキング3位にランクイン。月間ランキングでも13位。さらに、その前の記事もつられて14位でした。

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「いいね」数も3768件(6/12 18:00)で自己最高。コメントも321件でこれまた自己最高です。まあ、コメントの内容のうち一部は例のアンチによってあらされていますが…。

さらに、NewsPicksでも661picks(6/12 18:00)は、自分の記事としては自己最高!コメントは一部を除いて概ね好意的でした。

 

さらにさらに、

ヤフーのトップトピックスにも取り上げられました!

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ヤフーのコメント数は、2276件!これはカテゴリーランキング1位!この2000を超えるコメントの中で一番「そう思う」ボタンを押して頂いたのが以下のコメントだったからです。

「色々意見はあるだろうけど、この方の考えは割と的を得ていると思う」

これが、8879の「そう思う」を頂きました!

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これがなにより一番うれしい。ありがとうございます。

 

すべてのコメントに目を通した上でまた書きたいと思いますが、こうした記事に皆さんがこれだけアクセスし、コメントまでよこしてくれるというのは、それだけ関心が高いということだと思います。

「昔から言われていることだ」という指摘もありますが、これだけインパクトのある見せ方でわかりやすく提示してきた人っていますか?いないでしょう(自画自賛)。だからこんなに注目されたんだと思います。

 

真面目な話…

未婚化の原因を探る場合、男性の貧困とか女性の経済的自立とか、職場結婚を含む社会的お見合いシステムの崩壊とか、そういったある意味マクロ的な視点も必要ですが、ミクロの視点で見てみることも大事だな、と。

「同類婚」「男性の下方婚」「女性の上方婚」など、潜在的に刷り込まれた環境的規範によって、こうした状況が生まれていることは否めないと思います。女性より一足早く、経済的な理由により、ある一定数の男たちは「下方婚」を諦めてしまいはじめています。能力的に「できない」のではなく、環境的に「できない」んです。「できない」というよりマッチングされないと言った方がいいかもしれません。

 

既に一部の男性たちは、結婚という仕組みから離脱しはじめています。それは、もはや昭和的な「男が養うべし」という規範条件を満足させられないという理由からです。しかし、それはあくまで「年収いくら以上じゃないと結婚できない」というデジタルな情報でしかなくて、男たちは相手の女性を全く見ていません。

女性たちも同様です。今回題材にした高学歴・高収入の女性たちの未婚率が高いというのも、相手の男個人は見ていなくて、「大学どこ?」「年収いくら?」というデジタルな条件しか見ていないことが多いのです。

結婚とは、本来男女のマッチングであるはずなのに、男女とも人間を見ていない。

 

記事本文にも書きましたが、高年収女性が望むハイスペックな男の絶対数は多くない。するとどうしてもマッチングされない女性があぶれるんです。

レース参加を棄権する男たちと、自己の最適化だけにこだわり続ける女たち。


記事の中では、経済学で言われる「マッチング理論」で説明しています。

お互いが自己の最適化を図ろうとすると、かえって全体のマッチング数は少なくなってしまうのです。お見合い結婚は、情報量が限定されていて個人の選択余地が少なかったのですが、だからこそ当時の驚異的な皆婚が実現できていたといえるのです。

皆婚時代を支えた「お見合い結婚」や、ほぼ社会的なお見合いシステムだった80年代までの「職場結婚」があったからこその100%マッチングが実現していたわけです。

個人の自由があればなんでもいいかという話ではない。

 

もちろん、経済的に自立した女性であれば、十分ソロで生きる力もあるでしょうし(もともと「人とつながる力もある女性はソロで生きる力が男性より大きい」)、無理して、または、妥協して結婚する必要性もない人も多いでしょう。

そもそも僕自身は、「結婚するのが当たり前」とか「結婚して子どもを育てて一人前」という昭和の価値観の押しつけに反対する立場で活動しているものですから、まったくもって未婚であるという選択や決断に異存はないし、むしろ尊重します。

勘違いしないでほしいのは、働く女性が未婚率高いからといって、「女性は専業主婦になるべし」だなんて全然思っていません。

とはいえ、2010年出生動向調査での年代別女性の結婚意思を見ると、30-34歳はほぼ7割以上が結婚に前向きなんです。結果的に生涯未婚で終わったとしても、女性の大部分はその時期結婚を考えているのです。

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結婚したいという意思があり、なおかつ、仕事に対しても意欲があった女性が、どちらかを選ばないといけないという究極の選択を迫られているのだとしたら、やはり何かがおかしいのだと思わざるを得ません。

結婚した女性でも、結婚や出産という理由のために離職を余儀なくされている女性も大勢います。本当はもっと働きたかったかもしれないのに。

だからどうすべきか、という話はまた別の話です。しかし、正しく現状を理解するということが、まずは議論のスタートラインに立つ第一歩ではないでしょうか。今後考えていきたいと思います。

 

テレビ番組の放送作家さん、リサーチャーさん、ニュースネタなどを探している番組関係者の皆さん、これからはこうしたソロ社会ネタの時代ですよ。

ラジオ番組のレギュラーやりたいので、ぜひお声がけくだい。独身者の悩み相談コーナーとかやりたいです。