ソロで生きる力@荒川和久

独身研究家として、テレビや新聞・雑誌などのメディアに出演しています。著書「結婚滅亡」「ソロエコノミーの襲来」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」など。東洋経済オンライン等でコラム執筆しています。執筆・取材・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。https://www.facebook.com/profile.php?id=100008895735359

誰かのギブが誰かの救いになり、救われた人がまた誰かにギブを与えるやさしさが連鎖する社会へ

こんな記事を見かけた。

風俗からこども食堂へ 貧困の連鎖を断ち切ろうと苦闘する夫婦 宮崎・プレミアム親子食堂

bylines.news.yahoo.co.jp

 

宮崎で、貧困の親子のために無償で食事を提供するというサービスを展開している夫婦の話です。彼ら夫婦の生い立ちとか風俗で働いていた話とかが本当にこの記事に必要だったのかはさておき、この夫婦の行動は素晴らしいし、本当に頭が下がります。

この「親子食堂」については、2016年3月にこちらの記事で紹介されたものが最初と思われます。

毎月1回は無料でランチが楽しめる!「プレミアム親子食堂」がOPEN!−宮崎市

visit.miyazaki.jp

 

支援の連絡先も明記されているので、ぜひ!

 

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ところで、これの元になった「こども食堂」というのをご存知でしょうか?

発祥は、2012年、東京都大田区東急池上線蓮沼駅近くの「気まぐれ八百屋だんだん」の店主近藤博子さんです。

近藤さんはもともと「こども食堂とは、こどもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂」としてはじめた。このこどもに関しても、貧困という条件はない。貧困だろうと普通の収入だろうと、親の何らかの事情により、一人で食事をせざるを得ない子どもがいる。そんな子どもが、一人でお店に来ても、周りにおじさん、おばさん、おじいさん、おばあさんがいて、一緒に温かい食事のできる居場所を提供する。それが近藤さんの理念だった。

いうなれば「食事」自体は目的ではなく、子どもがぼっちでも安心できる居場所を作ったわけです。

それは、今では消滅してしまったかつての地域コミュニティのようです。僕が子どもの頃には、まだそういう文化が残っていた。共働きの親の子どもは、隣近所の友達の家で夜ご飯をご馳走になったり、親が帰るまでテレビを見せてくれたものだった。

ところが、その後ブームと呼べるほどになった「こども食堂」は何百店にも拡大し、言い方は悪いが、「食事を無償または安く提供する場」でしかなくなっているところも多い。恒常的な場所ではなく、どこかマンションの一室で軽々しくはじめて、すぐらやめてしまうところも多いとか。

そもそもの理念である、「居場所」の提供ではなく、単なる「食事」の配給になりさがっている場合もある。貧困のこどもを救うという名目で補助金目当てだったりとか、自分の単なる利他的行動をアウトプットすることでの自己満足だったりとか、そういう事態も招く。もちろん、全部が全部ではないです。

こども食堂の問題点については以下が参考になります。

「子ども食堂」は、「おとな食堂」になっていないか?-大人の理想と都合で開店して閉店!子どもの声なき声に耳を傾けて!

children.publishers.fm

 

こうした支援活動は、賛同者が増えて、規模が大きくなればなるほど、当初の理念とは乖離していってしまうということは、往々にしてあります。だからダメだということではない。

 

最初の宮崎の例は、近藤さんとは違って、あくまで目的は、貧困の連鎖を断ち切るためであり、その手段としての「食堂を介した親子の対話の場作り」です。どっちがいいか悪いかではなく、ふたつともその目的が違うわけです。

ふたつの例ともリスペクトしたいのは言うまでもありません。自分のできることからはじめる、ということの尊さは誰も否定できないでしょう。

ただ、いずれにしても、こうした行動ボランティア的に動き出したとしても、所詮個人でできることには限界があって…。そもそもこんな素敵な活動自体を認知していない人だって多いわけだから。

これは子どもの食事だけではなく、高齢者の介護も、共働き夫婦の育児の問題も皆然りなんです。育児の問題に関して言えば、イクメンとかを礼賛する風潮には真っ向から反対です。家族で閉じたらダメなんですよ。妻は夫が手伝ってくれないと不満を言い、夫は妻から押し付けられるとストレスを抱える。そんな夫婦、不幸でしかない。家族で閉じない。家族しか頼れないっていう依存先の選択肢のなさが問題なんです。

外注すりゃあいいんですよ。そのためのサービス事業がどんどん作られるべきなんですよ。NGOでもなく営利企業でいいんです。

よく利益目的でやったらダメだとか非難する人がいるんですが、やかましいって話です。利益目的だろうがなんだろうが、それで救われる子どもや親子がいるんならいいじゃないか。ボランティアで100人しか救えないより、利益目的でやって幅広い支援を獲得すれば、1万人救えるかもしれない。経済を回すとはそういうことです。

 

拙著「超ソロ社会」に書いた「ソロで生きる力」とは、こうした人と人がつながり、誰かのギブが誰かの救いになり、救われた人がまた誰かにギブを与えるやさしさの連鎖を生みだすものと信じています。

生涯独身を覚悟した男女でも、自分が一品分多く金を支払うことで、それが巡り巡って子どもたちのご飯になるとか、それを地域限定やリアル限定にするのではなく、ネットを介して全国的に足りないところに瞬時に提供される仕組みなんて、今ならすぐ作れるんですよね。支援した人には、ちゃんとマイレージで支援実績が蓄積されて、何らかの達成感を得られる。

そういうことでいいんじゃないかと思っています。

こう言うデジタルなこと言うと、またガラパゴスなおっさんたちから「リアルに対面しているから温かみがあるのであってだな…」とか説教食らうんですけど、知るかって話ですよ。

お前らの説教じゃ誰ひとり子どもは笑顔にならないんだよ」って言いたい。

これからの消費は、モノもコトもいらない。ほしいのはココロの満足なんです。動かすのは承認感と達成感。

これは、1月に日経MJにも書きましたが、そういうことこのトークイベントではお話します。是非来てください。

wildriverpeace.hatenablog.jp

 

また、そんなことを書いている拙著「超ソロ社会」をよろしくお願いします。

 

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NEWS PICKS 「少子化との戦い方」特集に、なぜか?取り上げられました。

NEWS PICKS佐々木編集長の直々の取材を受けました。

少子化と戦う7つの方法」の論者のひとりとして、しかも、連載第一回目として取り上げていただいています。

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大変光栄なことです…

ありがとうございます。

 

ですが、そもそもソロ男やソロ社会など「ソロで生きる」を提唱している身なのに、なぜ声がかかったのか?という疑問はあります。むしろ少子化については、僕はこのまま減少するという見立てをしている方なので。ですが、記事の予告編ではこんな言葉がテーマとして綴られています。

少子化問題は複合的だ。単純なソリューションは存在しない。その解決のためには、「出産知識向上」「結婚機会の増加」「結婚の再定義」「働き方改革」「父親の育児参加」「待機児童解消」「育児支援」など、ありとあらゆるテーマに全力で取り組まなければならない。

おっしゃる通りで、少子化解決だからといって夫婦や子育ての問題だけにフォーカスするのは間違いです。僕に求められているのは、ここにある「結婚機会の増加」「結婚の再定義」という部分なのだろうと解釈してお受けしました。また、学者ではないので、ソリューションのアイデアの方向性として刺激的な内容を提示させていただいた。

 

タイトルは、「超ソロ化する日本、希望はAIとつながり」。

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newspicks.com

AIとありますが、本当は個人的にはそっちは枝葉の話です。その話よりも、ソロと家族の分断こそが、今後の子育ての問題であるという提言をしています。

拙著「超ソロ社会」に書いたメインテーマですね。

有料記事のようなのですが、ご興味があればぜひご覧ください。

 

 

 

ところで、まあ、このAI部分に関してはいろいろといちゃもんがつきました。

 

僕の提言は以下、本文から引用します。

--------

お見合いや社内結婚に代わってネットの出会いも期待されましたが、今のところ、まだそれほどうまく機能しているとは言えません。しかし、直にマッチングの精度が大きく向上するはずです。そのカギを握るのが、AIです。

AIになると、本人が行動しなくても、世界中から最適な相手をコンピュータが見つけてくれる時代になるでしょう。おそらくそう遠くない未来には。

今のお見合いシステムや結婚相談所の問題は、自分をよく見せようと「盛る」ことが可能なことです。優しくないのに優しいと自分のプロフィールに書いても、いずれはばれてしまいます。

今後、AIが、SNSツイッター、ブログだけでなく、日常の会話まで拾うようになると、AIはある意味、本人よりも本人らしくなります。「こういう人とは合わない」とか「こういう考え方の人とは相性が良い」といったことまでわかってきます。今まで付き合った彼氏や彼女のデータを分析すれば、顔の好みもデジタル化できるでしょう。

(中略)

AIの世界では、お互いのAIという分身がいて、その分身同士が前もって2年くらい付き合うと言うことも可能でしょう。そうして、バーチャル上でうまくいったカップルだけが、リアルに会えばいいのです。その場合、本人同士もうまくいく確率が高まるはずです。マッチング精度は格段に向上するでしょう。

--------

これに対して机上の空論だとかSF小説で現実味がないとか言ってくるんですが、本当に大丈夫か?

どこかの価値観マッチングと一緒にされているようですが、そもそも人工知能というものをご理解いただけてないようです。いちいち説明するほど暇ではないので無視します。

また、「人間関係はそんなにデジタルにいかない」という指摘もありましたが、別に人間関係をデジタル化するのではなく、出会いのきっかけをデジタル化しようとしているだけなんですけどね?

自分が女性に声を掛けられるからといって、すべての男性が同じようにできると思ったら大間違いです。男なんてものは、7割以上が告白もできない意気地なしなんだから、昔のお見合いのようなお膳立てがなければ結婚なんてできないんですよ。それを時代錯誤のように、お節介おばちゃんの復古を目指したって意味がない。テクノロジーが進めば、それを活用すればいいだけの話なんです。

出会いのきっかけ以降は当然人間同士の付き合いになるわけで、その後のことは知ったことではありません。ついでに言えば、そうしたAIマッチング後、離婚結婚をもっとカジュアルに繰り返すべきであるという提言も連動している話なんですけどね…。

箱舟を作ったノアをバカにした人たちは皆滅びました。従来の価値観や概念では到達ではない考えを否定する人にありがちなことです。

自分が理解できないことや理解したくないことを否定することでしか解決できない人って本当にかわいそうだと思う。

 

これは本記事には書きはしませんでしたが、男が単独で子どもを産むことだってできるようになるし、人工子宮だって可能になる。それは、出産ということから女性が解放されることでもあり、男女の性別役割分担から人類が解放されることでもあるんです。

未来というものはそういうものです。想像力こそが未来を作るのであって、今あるモノやコトだけの連続が未来だと思っている人たちはどうぞ滅んでください。

 

ただ、概ね、ちゃんと読んでいただいた方の中には、本質的な部分をご理解いただいた方もいて、非常にうれしいことです。

あくまで議論のための呼び水でいいと思っているので、何の権限で評論してくるのか、そっちの方がさっぱりわかりません。

 

 

最後に「男目線で語られているから…」とか非難する人がいるんですが、う~ん?どういうこと?

これ7人の論者がそれぞれの専門や立場から多様な意見を言う場ですよね?しかも、僕は男だし、男が男の目線で語っちゃいけないんですかね?

男が…とか女が…とか言うのもうホントやめたほうがいいと思うんですけどね~。

 

 

好評です↓よろしくお願いします!

 

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経沢香保子さん、関口舞さんとトークセッションやります!

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2月20日、博報堂マーケティングスクールにおいて、生活者研究講座「超ソロ社会のマーケティング~人のつながりの新しいカタチ」が開かれます。

オンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営する経沢 香保子 さんと、恋愛マッチングアプリの開発などを手掛けたIT起業家 関口 舞さんをゲストに、トークセッションを行います。

kahoko.blog.jp

 

 

careerhack.en-japan.com

 

お二人ともテレビのコメンテーターなどでご活躍中です。経沢さんは、「ワイドスクランブルテレビ朝日)」、「週刊ニュースリーダーテレビ朝日)」、「シューイチ(日本テレビ)」など。関口さんは、「モーニングクロス(TOKYO-MX)」など。

 

 

 

異色の組み合わせだと思いませんか!

 

 

 

美女とおっさん!

 

 

 

色白とガングロ!

 

 

 

いや、そこじゃなく…

子育てや恋愛・結婚とソロ社会がどう関係するのか?

そう思いますよね?

 

 

それこそが「家族や結婚とソロ社会とは対立しない」というソロ社会の未来像だったりします。

当日は、ツイッターでのリアルタイム質問も受け付けたいし、交流タイムも設けたいと思います。ぜひお越しください。お待ちしています。

もしかしたら、お二人に僕が説教されるだけかもしれませんが…。

先着締め切りだそうなので、お早めにお申込みください。

 

お申込みはこちらから

【生活者研究講座】超ソロ社会のマーケティング~人のつながりの新しいカタチ - 博報堂マーケティングスクール

※尚、お申込み時に会員登録が必要になるようです。すみません。

 

 

開催日:2017年2月20日(月) 19:00~21:00(受付開始 18:30)

開催場所:博報堂ラーニングスタジオ(東京都港区赤坂)

定員:先着80名

費用:3,000円(税別)

※講座費用のお支払いはクレジットカード決済のみとさせていただきます。ご了承ください。

概要:

20年後、日本の人口の半分が独身者となります。少子高齢化より深刻なのは、実はこのソロ社会化です。結婚しても離婚や死別で、誰もがソロに戻るリスクを抱える未来が到来します。

ソロ社会においては、当然消費の形も変わります。従来消費の中心は家族でした。しかし、ソロ生活者が半数を占める未来は、従来のマス・マーケティングが通用しない世界です。人口知能やテクノロジーの発展の伴い、ますます消費の個人化が加速します。

マーケティングにおいて、ターゲット設定は重要です。しかし、性別や年齢・世代などの従来のデモグラ論法ではソロ社会時代には対応できなくなります。

今後確実にやってくるソロ社会において必要となる視点は何でしょうか?

博報堂ソロ男プロジェクトを立ち上げ、自らもソロ男を貫くプロ独身生活者・荒川和久の新刊「超ソロ社会 独身大国日本の衝撃」をもとに、ゲストを交えて、トークセッションの形で議論したいと思います。

ゲストは、オンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営する経沢香保子さんと、写真を通したマッチングアプリなど人間関係に焦点を当てたサービス開発に取り組む関口舞さんという二人の女性起業家の方です。

ソロ社会というと、家族や結婚というものと対立する社会ととらえられがちです。しかし、両者は決して対立項ではありません。一見矛盾して聞こえるかもしれませんが、ソロ社会だからこそ「人とのつながり」が重要になってくるのです。

三人での対談と合わせて、参加者のみなさんとともに考え、交流する時間もご用意しておりますので、ぜひご参加ください。

  ★   ★   ★

経沢 香保子 (つねざわ かほこ)/実業家・株式会社 キッズライン代表取締役社長

慶應義塾大学経済学部卒業後、リクルートに入社。その後、創業間もない楽天で社長室や楽天大学等の新規事業を経て、26歳で自宅でトレンダーズを創業。女性起業塾や女性ソーシャルメディアマーケティング等を展開し、2012年東証マザーズに当時最年少女性社長として上場。女性がもっと活躍できるよう、もっと女性にチャンスをと仕事と両立できる将来を積極的に実践する女性社長として注目を集めている。現在、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。著書は、『すべての女は、自由である』(ダイヤモンド社 2016)など多数。Facebooktwitter、ブログ、note等でも積極的に発信しており、Facebook人気ユーザーランキングでは、19位(2016年8月時点)となっている。

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関口 舞 (せきぐち まい)/IT起業家

1990年生まれ。23歳で起業し「好きな人と両想いかどうか確認できる」純愛アプリをリリース。両想いを多数成立させた経験からコミュニケーションサービスの分野に取り組むことを決意し、SNSや婚活サービス等をプロデュース。2016年始には写真を通したマッチングアプリ「nine」をリリースし、事前プロモーションにオバマ大統領夫人やドナルド・トランプを始め世界で1500万人が参加。モーニングクロス等、コメンテーターとしても活動し若者のいじめ問題やキャリア論について提言も行っている。

どうしたら幸せという「状態」になれますか?

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先日の下北沢B&Bのイベントに取材に来て頂いたキャリコネニュース。記事が公開されていました!ライブレポート全体というよりも、前半部分のソロ男の生態に集中した形の記事となっています。

「独身者は無理に幸せになろうとしない方がいい」ーー 『超ソロ社会』著者の荒川和久さんが語る

news.careerconnection.jp

 

タイトルだけを見ると、なんか、独身者なんか不幸のままでいい!みたいな誤解を受けそうですが、ちゃんと本文を読んでください。ご納得いただけると思います。

そもそも既婚者と独身者とでは幸せの貯蔵庫が違います。にも関わらず、独身者は、「結婚できていない」自分に負い目を感じ、既婚者のような幸せを追い求めようとします。

そんなの意味ありません。

大体、幸せなんて他人と比べてどうだ?という話じゃない。

幸せはその「状態になる」ということではなく、「感じる」ものです。ひとりひとりの感受性の問題なんです。ささいなことを幸せに感じることができる人もいれば、何億も稼いで豪邸に住んでいたって不幸しか感じられない人だっています。

妻と子がいる状態が幸せなんではなく、独身で居続ける状態が不幸ということではありません。

同様に、「結婚という状態」に幸せも埋まっていないんです。

 

「どうしたら幸せになれますか?」

独身者は、こんな質問をよくします。それは、この質問の中に「結婚という状態になったら幸せになれる」という思い込みが隠されています。だから結婚をゴール視してしまうし、「結婚しさえすれば」みたいな気持ちが生まれてしまうんです。そうした意識でたとえ結婚しても、果たして幸せを感じれるものでしょうか?

それこそが「結婚という状態に依存」している証拠です。

幸せと言う名の「状態」探しはやめましょう。

その前に、ひとりひとりが「ソロで生きる力」としての精神的自立心を身に付け、自分の中の多様性というものを受容し、まず「自分を愛する」ことが先決でしょう。自分を愛せていれば、自然と人にもやさしくなれるし、自動的に幸せだって感じているはずです。

そのあたりには拙著「超ソロ社会」のテーマでもあるので、是非ご覧ください。特に、がんばることに疲れてしまったあなたにこそ読んでほしい。

 

ちなみに、この記事大変好評のようで、ライブドアニュースや、ニコニコニュースにも転載されていますが、各々でコメントの傾向が違うのが面白い。ニコニコニュースの方がこじらせ男子多いですね。

news.livedoor.com

 

news.nicovideo.jp

 

その中で、「猫好き関係ないやん」というご指摘がありましたので、調査のエビデンスを公開します。ソロ男と既婚男性とで比べると、圧倒的に「犬好き」な男性の方が結婚しています

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女性のみなさん、相手が結婚する気があるかどうかを見分けたいなら、「犬か猫かどっちが好き?」と質問してみて下さい。

 

相変わらず百田尚樹さんとデッドヒート続けてます。よろしくお願いします。  

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人口5割が独身になる日本の未来は暗黒なんかじゃない。未来を作るのはひとりひとりの意識と行動。

東洋経済オンライン連載#6 公開されました。

toyokeizai.net

 

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おかげさまでたくさんの方に読まれています。

独身というと、つい未婚者のことを思い浮かべがちですが、有配偶者以外はすべて独身なのです。つまり、15歳以上の全人口に占める独身者(未婚+離別死別者)数は、20年後には男女合わせて4800万人を突破し、全体の48%を占めます。人口の半分が独身生活者となる、「ソロモン」の国に日本はなるのです。

日本のソロ社会化は不可避で、確実にやってきます。

従来の規範やコミュニティ、社会構造に至るまで大きな変革期を迎えます。しかし、これは、決して暗黒の未来の幕開けではありません。

「超ソロ社会」に記した内容を端的にまとめてありますので、是非ご一読ください。特に4ページ目をぜひ読んでいただきたい。

 

そして…想像以上に反響が大きくてうれしい限りです。

2ちゃんにもスレがたち、なんとNewsPicsでも900近い数のpick頂きました。しかも、トップで記事をご紹介してくれている。トランプの記事と肩を並べているんです。うれしいですね。ありがとうございます。

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コメントも2ちゃん以外は拝見しています。そして何よりうれしいのは、こうした社会の不可避の流れについて、特に20-30代の人たちが違和感なく受容できていることです。

相変わらず、ガラパゴスなおっさんやおばちゃんはわーわー書いてますが、まう、本当にこの人たちの危機感のなさというか、未来を見通す目のなさというか、現状の事実認識のできない緩さには呆れます。

あげくの果てに、この推計自体を信じられないと言いだす始末。いやいや、あなたのそのいい加減な妄想の方がよっぽど信じられませんがな。統計などのエビデンスを信じられないなら、もはや議論なんてものはできない。場末のスナックのカウンターで独り言つぶやいていればいいんじゃないでしょうか。

大学の教授だか。弁護士だか、どっかの会社の社長だか知りませんが、事実をちゃんと認識できずに、社会に適応できない者は滅亡します。それは、ノアの箱舟」に乗った人たちほバカにした人たちと同じ運命をたどることでしょう。

 

拙著「超ソロ社会」は、既婚とか独身とか、若者とか年配とか、男とか女とか、そういった既存の枠組みをとっぱらって、ひとりひとりが「自分」と向き合うきっかけになれば、と思って書きあげました。

きたるべき未来はこの本の予想通りになるかどうかはわかりません。しかし、未来を作るのは、結局ひとりひとりの意識と行動からなんです。それは国や行政や制度ではない。

肩書きにしか頼れないオヤジたちの声なんか無視していいんです。既得権益を守ろうとしている変な政治家とおなじだから。

 

 

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アイデンティティはひとつだなんて一体誰が決めたの?

昨日、本屋B&Bトークイベント満員の大盛況で無事終了しました。

お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。満員の会場で、楽しくお話させていただき、あっと言うの間の2時間でした。

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男余りMAPはやはり大受けでした。結婚したい独身女性は、ぜひ北関東へ行ってくださいwww

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角田さんの話も刺激的で、個人的にも新しい発見がたくさんありました。こうして人は自分の中に新しい自分を生みだしていくのですね。

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こういうイベントが何がうれしいって、開演前と終了後で来場者のみなさんと交流できることなんですよね。昨日もたくさんの方とお話できてよかったです。たった一言でも二言でも会話をするってことがものすごく大切なんです。一方的に話を聞いただけで帰られてしまうと、僕自身が「出会ってない」から。

 

人との出会いやつながりは、自分の中に新しい自分を生みだす。

新刊「超ソロ社会」にもこのことについて書かせていただきました。

アイデンティティの話とソロ社会と何が関係あるの?

そうお思いかもしれませんが、このアイデンティティの捉え方の変化こそがソロ社会における構造変化と密接に関係するわけです。

アイデンティティって唯一無二のものだと思っていますか?年齢とともにアップロードされて変化したとしても、自分のアイデンティティはいつもひとつで、真ん中にある核のようなものだと思っていますか?本当の自分というものはひとつしかないと思っていますか?

それこそがもしかしたら貴方自身を苦しめている元凶かもしれませんよ。

私たちは、生きて行く中でいろんな人と出会い、つながり、関わりをもって生きています。職場での自分、家庭での自分、恋人といる時の自分、コンビニの店員と対する時の自分…。それ、全部一緒ですか?

多分違うはず。

それは決してキャラを演じているわけでもなく、相対する人によって出てくる自分の行動や意識はすべて本当の自分なんです。

いやいや、それキャラだから?

あなたは上手に演じているつもりかもしれませんが、一流の女優でもない限り、そんなもの演じられるわけがないんです。

十人十色といいますが、本当は一人十色。

自分の中には、出会った人や関わった人ごとに異なる自分というものがどんどん生成されているんです。そうした「たくさんの自分」すべてが自分

たくさんの自分が生まれてくることが成長でもあり、経験でもある。

だから、「人とつながる」ことが大事になる。ここでいう「人とのつながり」って別に人脈を増やすとか、フェイスブックの友達数を増やすとかじゃないですよ。ちゃんと向き合える相手と関わるということです。友達にならなくてもいいんです。結果、嫌いな相手だったでもいいんです。どういう感情かが問題ではなく、ちゃんと向き合うことによる自分の中に生まれる自分が大事なんです。

 

絶望とはなんでしょう?

それは拠り所となる自分自身の喪失です。希望がなくなるのではなく、依拠すべき自分自身がなくなることです。

自分自身の中で唯一無二の自分しかもたないと、そのたったひとりの自分が喪失した場合に絶望しか残されていないことになる。

でも、自分の中にたくさんの本当の自分がいることを認めることは、自分の中に選択肢を持つことであり、依存先を多く持つことと一緒。

 

自立って誰にも依存しないことではない。

頼れる依存先をたくさん持っていること。それが心の安心と安定をもたらし、いざとなっても揺るがない自立心を生みだすんです。

 

「ソロで生きる力」とは決して孤独に耐える力ではない。「人とつながる力」であり、それによって「新たな自分を生みだす力」であり、それが自己の精神的な自立を確固たるものにする。それができてはじめて自分を愛することができるようになるんじゃないでしょうか。

 

そこから先は是非拙著「超ソロ社会」でご確認ください。ソロ社会は決して暗黒の未来ではないことがお分かり頂けると思います。

 

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日経MJに寄稿しました。「ソロ社会」時代で変わる消費

本日1月16日付け日経MJの2面欄に寄稿した記事が掲載されました。

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ソロ男とソロ女をメインとする独身者がマジョリティとなるソロ社会において、消費の動向は大きく変わります。新刊「超ソロ社会」にも書かれていますが、彼らの消費意識と結婚しない意識とは密接に関連しているものでもあります。ぜひご一読ください。

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近い将来、独身者がマジョリティとなる「ソロ社会」時代が到来する。2014年に発足した博報堂ソロ活動系男子研究プロジェクトでは、早くから独身生活者に注目し、既婚者との消費意識と行動の違いを研究してきた。そして、20~50代の経済的に自立した独身男性たちは消費力が旺盛であることを発見し、彼らを「ソロ男(だん)」と名付けてそのポテンシャルを可視化した。昨年より女性のソロ男版と言うべき「ソロ女」の研究もスタートしている。今回はソロ男女と既婚男女とでその意識と行動にどのような差があるのかを調査した。

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そして、本日は下北沢B&Bで角田陽一郎さんとのトークイベントの当日です。これから会場入りします。お待ちしています。よろしくお願いします!

 

wildriverpeace.hatenablog.jp

   

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