結婚させたい国家と結婚したくない個人の戦い
未婚化のニュースでは必ずといっていいほど引用される出生動向調査「9割の独身が結婚したいと言っている」というデータがあります。
しかし「9割が結婚したい」という言い方は真っ赤な嘘!
結婚に前向きなのは、男性は4割未満しかいないし、女性も過半数に達しないのが真実で、それは30年前から変わっていません。
そんな記事を書きましたので、ぜひぜひご一読ください。
いつもはネガコメントで炎上する僕の記事ですが、今回のは割と好意的なものも多く、そのせいかコメント絶対数が少ない。炎上しないと読まれないっておかしくないか?
それはさておき、ヤフーの記事の方にとても興味深いコメントがありました。引用させていだたきます。
結婚とは「制度」である。そして「制度」である以上、「その制度を利用するかどうか」という話になるということ。更には、制度というものは「不変」ではない。人々は、「(漠然と)結婚という(不変の)制度があって、その制度の方に自分の価値観を合わせなければならない」と思っている。それは「結婚する」にしても「結婚はしない」にしても同じで、だからこそ「年収が云々」とかの話になるのだ。ところが、これだけ結婚というものが「制度疲労」を起こしてくると、「制度としての”結婚”は利用しない」という考え方をする人々が増えてくる。しかも、この考え方はあるターニングポイントを過ぎると「加速度的に」増える。そのとき崩壊するのは「結婚という制度」の方なのであって、人々の価値観の方ではないということだ。
結婚という制度が疲労を起こしているという意見はまさにその通りです。ただ、だからといって今の結婚制度がなくなるとも僕には思えない。
こういう話のたびにすぐ「フランスのPACSを見習え」という声もあがりますが、はっきりいって、PACS的なこと導入して結婚数があがるわけはないんです。
せっかくなので、婚姻とPACSの違いを列挙します。
こちらの記事を参考にしました→フランスで結婚する - 結婚?PACS?同棲? - フランス生活情報 フランスニュースダイジェスト
もともと同性カップルのための制度だけあって、財産や所得税に関する権利は充実しているようですが、だとしてもこれで日本人がカップルになるかといったら疑問です。
結婚しない理由はそこじゃないからです。
ただ、取り急ぎ子どもを生む意思もなく、共働きを続ける意思が双方にあり、最悪性的な関係性がなくて一緒にいる経済的メリットを感じられる契約形態としての制度なら、契約同棲的な位置づけとしてはありかもしれません。友情婚とでもいえばいいんでしょうか。
それを事実婚というから面倒になる。
ツイッターでもこんな感想がありました。
結婚させたい国家と結婚したくない個人。どっちについて商売をすべきかやろか。
— キャバクラ経営企画TOM (@go_tmk) 2017年9月12日
「独身の9割が結婚したい」説の根本的な誤解 この30年で「一生結婚しない予定」の人は増加 | ソロモンの時代―結婚しない人々の実像 - https://t.co/bLII58CIfo
結婚させたい国家と結婚したくない個人。
言い得て妙です。タイトルに使わせて頂きました。
とにかく人口の半分は独身になるまでこの動きはとまらない。でもだからといって未来は暗いわけじゃない。今の価値観や規範で考えるからそうなるだけです。