インスタ映え女子とアイドルオタクとは本質的に同じ
TOKYO FM「Time Line」に生出演してきました。お相手は佐々木俊尚さん。
お世話になりました。ありがとうございます!
こちらのradikoから一週間だけお聴きになれます。19:23以降に登場です。
インスタ映えを読み解くカギとなる「エモ消費」とは何か?についてお話しました。
もともと産経新聞に掲載されて以下のニュース、 を読んで感想をツイートしたのですが…。
インスタ映えについての考察。「モノ消費」から「コト消費」へと言われたのは2000年のことで、かれこれ20年前ですが、これからは「所有価値」でもなく「体験価値」でもない「精神価値」としての「エモ消費」が鍵になってきます。続くhttps://t.co/dMywBa7ckb
— 荒川和久@「超ソロ社会」著者 (@wildriverpeace) 2017年9月4日
新聞記事では、インスタ映えはいつの時代も人が持つ「承認欲求」だとかでまとめているんですが、全然違うと思うんだよね。もちろん承認欲求は人間の根源的な欲求のひとつだからそれはアリなんだけど、それだけでやっているわけじゃない。
インスタ映えについての考察を消費行動の変遷から論考したものです。
「モノ消費」から「コト消費」へと言われたのは2000年のことで、かれこれ20年前ですが、これからは「所有価値」でもなく「体験価値」でもない「精神価値」としての「エモ消費」が鍵になってきます。
「エモい」とは落合陽一さんがよく使う言葉ですが、ロジカルの対極にあるもので「もののあはれ」や「いとをかし」に近い感情です。
インスタに写真をあげるのは単純な承認欲求だけではなく、達成感であり、幸せ感の確認でもあり、自己肯定感のためです。これは、堀江貴文さんの言う「感情のシェア」が幸せにつながるというのとも通じます。
ですから、情報共有欲求というより、感情共有によるコミュニティ帰属意識の確認に近いと思います。だからこそ文字でくどくど説明しない、1枚の写真でわかる人にはわかるという体裁が都合がいい。自分たちの周りのごく身近なコミュニティの中だけで承認されればいいということです。
まとめると、承認と達成とコミュニティ意識の満足、それがインスタというツールを活用したエモ消費を生みだしています。いうならばグラノヴェッターの弱い紐帯のあらわれに近い。
ラジオではこんな話をしようと思っていたら、いつの間にかアイドルオタクの話や「この世界の片隅に」の話やらいろいろなお話になってました。「インスタ映え」でパンケーキの写真を撮る女子と、AKBを応援したり、コミケに没頭するオタクとは本質的な部分で同じなんです。